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【PR】電子化が難しい処方箋、紹介状…「医療の経営改善」プリンター交換でコスト削減

 診療報酬の伸び悩みや人件費の上昇などで、医療機関の経営は厳しい環境が続いている。患者のことを第一に考えると、コスト削減は簡単ではない。

 大量の印刷物が発生する医療現場で今すぐにできるのが、レーザープリンターからインクジェットプリンターへの置き換えである。しかも、お金が浮くだけではない。印刷時間の短縮や省スペース化など業務プロセスが大きく改善するうえ、エコにもつながる。

インクジェットにより印刷費9割減

 東京都江東区豊洲のMIZENクリニック豊洲は、「働く人のための夜間診療」をコンセプトに、平日の夜に4時間診察するという都会の一角の診療所である。スマートフォンから予約できるようにするなど、ITの活用に熱心だ。ただ、処方箋や領収書、患者への説明資料などは電子化が難しく、紙の印刷をなくすことができない。印刷枚数は1日約100枚、レセプト(診療報酬明細書)を処理する月末では約500枚にのぼる。

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 MIZENクリニック豊洲ではプリンターをレーザープリンターからインクジェットプリンターに切り替えたところ、印刷費用が大幅に削減できた。

 A4の紙1枚の印刷費用はカラーで0.9円、モノクロで0.4円と、レーザープリンターと比べると9割も安い水準となった(※1)。月2500枚のA4カラー印刷をしたとすると、毎年20万円以上の差が出る計算になる。患者に渡す印刷物を気兼ねなく、カラー印刷にできるようになったという。導入コストを考慮しても、印刷費9割減のインパクトは大きい。

※1 エプソンのインクジェットプリンターEW-M670FTと、レーザープリンターLP-M620Fで比較

コスト削減でプリンターへの注目高まる

 厚生労働省の医療経済実態調査によると、国公立病院を含む一般病院全体の損益率では4.2%の赤字であった。多くの医療機関がコスト削減の意識を高めている。

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 具体的に進めている分野としては、プリンターを含むOA機器費や光熱費などの経費が72.4%と最も高くなっている(※2)。

 材料費(医薬品費、診療材料費など)や人件費などは、コスト削減の余地が限られるからだと考えられる。レーザープリンターからインクジェットプリンターへの切り替えは、コスト削減の入り口として有力な手段になっている。

※2 エプソン販売とCBコンサルティング「医療機関の『印刷機器 費用・業務に関する』意識・実態調査」(2018年3月)より

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 実際に、医療機関への調査でも、プリンターへの不満ではインクやトナー代などの消耗品代が56.3%と最多で、印刷スピードや本体価格、リース機で印刷枚数ごとにかかるカウンター代、耐久性などを大きく上回った(※3)。

 インクジェットプリンターというと、レーザープリンターに比べて印刷費が高いというイメージがかつては強かった。ところが、大容量のインクタンクの登場などで、インクジェットプリンターの印刷費用は圧倒的に安くなっている。

※3 ※2と同じ

 しかも、インクタンクの大容量化により、一般的な使用頻度ではインクを1年間補充しないで済むようになった(※4)。作業を中断してインク交換する手間が省けるので、仕事の効率の向上にもつながる。

※4 エプソンEW-M670FTでは1回のインク交換でA4カラー約6000枚の印刷が可能

現場の使いやすさが鍵 ファーストプリントで差

 西日本で地域医療の中核を担っている国立大学病院も、レーザープリンターからインクジェットプリンターに切り替えた医療機関の一つである。

 外来患者は1日平均計1200人、入院患者は計500人を超え、約2000人の職員が働く。そこで求められたプリンターの条件が、「現場で働く人たちが使いやすい」というものであった。

 誰でもインク交換や紙の補給がスムーズにできるためには、家庭で使い慣れている機器と近い方が便利である。プリンターを置くナースステーションは手狭なので、大型の機器は避けなければならない。患者に配る説明資料がかさばらないためには、カラーで両面印刷ができることが必要だ。B4やA3の掲示物をカラーで印刷したいという要望もあった。複数の機種から、現場職員の投票でインクジェットプリンターを選んだのである。

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処方箋や会議の資料など、医療機関では今でも多くの印刷物が利用されている(写真はイメージ)

 インクジェットプリンターの導入以降、高い評価を受けているのが、印刷のスピードである。

 一般的にはレーザープリンターの方が速いイメージだが、印刷の開始ボタンを押してから1枚目の印刷を終えるまでのいわゆる「ファーストプリント」の時間は、インクジェットプリンターの方が圧倒的に短い。インクジェットプリンターは直接インクを紙に噴き付けるので、素早く立ち上がるからである。

 文章の量が少ない処方箋や領収書などをちょっとずつこまめに印刷することが多い医療機関では、インクジェットプリンターの方がトータルの印刷時間は短くなる。患者へのサービス改善にもつながったうえに、少しでも時間を節約したい医療現場のストレスを和らげることになった。

 インクジェットプリンターは消費電力が少ないことも大きな特徴である。医療機関も環境への配慮が求められる時代で、省エネ性能は重要だ。災害時には非常電源を使用して業務を続ける際に、力強い味方になる。

 インクジェットプリンターのラインアップは豊富だ。1分間で100枚印刷できるなど大規模病院の事務室などで用いられる高性能の複合機モデルや、高い機能やコンパクトな本体サイズ、求めやすい価格などを兼ね備えたビジネスモデル、印刷コストに強みを持つモデルなどがある。使い方に応じたプリンター選びが大切だ。

記事内で登場した医療機関が導入したインクジェットプリンター

EW-M670FT

【エプソン EW-M670FT】
大容量インクタンクを搭載し、コピーやスキャン、ファクスにも対応したオールインワンタイプ。印刷コストは圧倒的に低く置き場所を選ばないコンパクトなサイズ。前面の用紙カセットには最大250枚の収納できる。

PX-S5080

【エプソン PX-S5080】
A3より一回り大きいA3ノビサイズにも対応した高速・高画質プリンター。自動両面印刷も可能で、幅広い場面に対応する。15万ページの印刷ができるなど耐久性が高い。2段カセットには異なるサイズで計500枚の用紙をセットできる。

目が届きにくい印刷費 最適なプリンター選びを

ジャパンコンサルタントアンドメディカルサービス

代表取締役社長 森清光氏

 「レセプトの電子化や電子カルテの普及により、医療経営における印刷物は減っていますが、医療費明細書や処方箋、紹介状などから、出勤管理や院内掲示物、会議の資料など、多くの場面で紙媒体が利用されています。

 医療機関によってはレセプト提出前の確認作業で全数印刷確認作業などを行っている場合もあり、印刷費は部署を横断して細かく消費を積み重ね、目の届きにくいコストとなっています。印刷物の多い医療機関にとって、OA機器は切っても切れない関係にありながら、関心は薄いです。

 インクジェットプリンターは昨今、低消費電力の優位性に加え、高画質で、インクコストが安く、ファーストプリントも速いという特徴があり、弱点だった高速印刷の機能でもレーザープリンターと同等になっています。

 例えば、診察の際、主治医が患者に渡す結果表をきれいに分かりやすくするなど、サービス面での改善も視野に入れながら、過去の印刷物の属性や枚数も考慮し、多くの選択肢の中から最適なものを選択することが、OA機器関連のコスト削減につながります」