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太陽生命・副島社長インタビュー…「シニアニーズに対応」認知症保険50万件

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 認知症に備える保険の販売などに力を入れ、シニアマーケットでトップブランドを目指す太陽生命。認知症関連の保険商品は2016年の発売以降、50万件を突破しました。従業員の健康対策や顧客サービスの向上にも力を入れているといいます。今年4月に社長に就任した副島直樹さんに、こうした取り組みや今後の戦略について語ってもらいました。

認知症は一番怖い病気、不安の解消を

認知症への取り組みを語る副島社長

――生命保険業界でいち早く認知症保険を発売したのに続き、昨年10月には業界で初めて認知症予防に特化した保険を発売されました。認知症への御社の取り組みについてお聞かせください。

  「認知症」は現在、シニアにとって一番怖い病気のひとつです。中高年の4割近くが認知症になるのが怖いと考え、その割合は心筋梗塞こうそくや脳卒中、がんなど他の病気を上回ったという調査結果もあります。

 政府は今年6月、今後の認知症対策をまとめた大綱を発表しました。ここでは、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指すという基本的な考え方が示され、従来からの「共生」に加え、初めて「予防」が二本柱に据えられました。

 これは、われわれの認識と共通しています。3年前にいち早く発売した「ひまわり認知症治療保険」に続き、昨年10月には「予防」に着目した「ひまわり認知症予防保険」を発売しました。おかげさまで、認知症関連の累計販売件数が50万件を超えるなど大変ご好評いただいております。

 商品とサービスを一体化した取り組み

シニアビジネスのトップブランドを目指す副島社長

――昨年10月に発売した「ひまわり認知症予防保険」とはどんなものですか?

 この商品は、認知症になった場合の保障だけではなく、認知症を予防するためのサポートサービスが受けられるものです。

 契約の1年後から、2年ごとに「予防給付金」をお支払いします。その給付金を活用し、血液検査によって認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)のリスクを判定する「MCIスクリーニング検査」や、疾病予防や健康増進に効果があるといわれている「クアオルト健康ウオーキング」の体験ツアーなどのサービスが受けられます。クアオルトはドイツ語で「クア=治療・療養」と「オルト=場所・地域」が合わさった言葉で「療養地」という意味になります。自然の野山や森林を、心拍数などを測りながら無理なく歩きます。

 このように治療に対する保障と予防サービスを一体にした画期的な保険商品です。また、保険金のお支払いサービスにもさらに力を入れており、専門知識をもった職員がお客様を直接訪問し、給付金等のお支払い手続きをサポートする「かけつけ隊」が好評です。お客様のもとへかけつけ、最新のITを駆使することにより、給付金の振り込みまで最短10分です。これまで3年間で8万件ものご利用実績があり、人でしかできない丁寧な対面サービスは大変喜ばれております。

 高齢者施設の利用料を終身でサポート

――認知症以外にも、「人生100歳時代」を見据え、シニアマーケットへの取り組みをされているということですが。

 介護に関する備えと資金準備が「人生100歳時代」では、ますます重要となります。これまで以上に長いセカンドライフを送ることになるため、生活資金だけでなく、介護状態になってしまった場合の介護費用にも備えておかなければなりません。低金利が長期にわたって続き、投資環境も個人にとっては良いとは言えないので、資金準備は国民にとって大きな課題となっています。

 仮に、長年の蓄えを取り崩して高齢者向けホームに入所できたとしても、生活費が不足するケースが出てきているそうです。

 そこで、弊社では、昨年12月に、全国に300以上の高齢者向けホームを展開しているベネッセスタイルケアと協働し、同社が運営するホームの入居者向けに、一生涯、年金を受け取れ、入居費用などに活用できる団体年金「月額利用料サポートプラン」を開発しました。

 人生100歳時代を迎え、何年分の貯蓄、介護資金の準備をしたらいいのかわからなくなってきた時代だからこそ、このような商品のニーズが高まってきているのだと思います。長生きすることがリスクではなく、長寿を喜びあえる社会の実現に向けて、商品・サービスの更なる充実を図っていきます。

従業員とお客様、社会を元気にする

自らの健康づくりはゴルフ、年に70回もコースに出るという

――2016年から始められた「太陽の元気プロジェクト」について教えてください。

 これから弊社が目指すべきなのは、より多くの人が健康で元気に長生きできる社会。そのためには、まず弊社の従業員が元気になる。その従業員がやりがいを持ってサービスを提供し、お客様の健康寿命を延ばし、元気になってもらう。さらに医療の進歩や健康寿命を延ばすことに貢献する企業や団体を支援し、社会全体を元気にする。「従業員」「お客様」「社会」を元気にする取り組みです。

 「従業員」を元気にするということで言えば、2017年4月に業界に先駆け、65歳定年制度と最長70歳まで働ける雇用制度を導入し、長く安心して働ける環境を作りました。さらに、従業員の健康づくりとして、疾病予防に効果があるとされる「クアオルト健康ウオーキング」を活用するとともに、全社禁煙運動を進め、2018年には全役職員が社内完全禁煙を達成しました。

クアオルト健康ウオーキングに取り組む太陽生命の社員(同社提供)

 「お客様」を元気にする取り組みとしては、歩行速度を継続的に測定し、将来の認知症・MCIのリスクや予兆が発見された場合に、ご家族に通知する「認知症予防アプリ」をご提供しています。

 「社会」を元気にする取り組みとしては、認知症はどんな病気で、どう「共生」していけばいいのかということを、世の中の人々に伝えることも重要です。全国で開かれる認知症関連セミナーへの協賛や、認知症のメカニズムを解明する共同研究に参加しています。また、東京都健康長寿医療センターと「認知症予防アプリ」の「歩行速度のデータ」を活用することにより、認知症に関する共同研究を進めるなど、当社が保有するビッグデータを活用して、社会を元気にする取り組みを推進しています。

太陽生命千葉支社のかけつけ隊(同社提供)

――最後に今後の事業戦略についてお聞かせください。

 2019年度から始まった新たな中期経営計画では、「100歳時代を先取りした最良の商品・サービスをご家庭にお届けすることにより、より多くのお客様の安心で豊かな暮らしを支える保険会社となる」ことをビジョンとしています。世の中やお客様のニーズは常に変わりますが、太陽生命は時代の変化を追いかけるのではなく、時代を先取りし、常に新しいことに挑戦していきます。また、新しい時代だからこそ、従業員一人一人が誠実に、迅速に勇気を持ってお客様や働く仲間に接するという私たちの根幹となる大切な文化は継承し、従業員一丸となってチームスピリットを発揮していきます。キャッチフレーズは「元気、長生き、太陽生命」です。(聞き手・田中真奈美)

副島 直樹(そえじま・なおき)
【略歴】1958年生まれ、東京都出身、81年慶應義塾大学商学部卒。同年太陽生命入社。2004年企画部長、09年執行役員営業企画部長、11年取締役常務執行役員、14年代表取締役専務執行役員、16年代表取締役副社長営業本部長、19年代表取締役社長(現職)、兼株式会社T&Dホールディングス取締役(現職)

 

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