なつかしスポット巡り

重労働から解放してくれた家電たちに会える「東芝未来科学館」(川崎市)

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 電気洗濯機、テレビ――。神奈川県川崎市の東芝未来科学館には、20世紀に東芝が世に送り出し、人々の暮らしを支えた電化製品が勢ぞろいしています。日本初の製品も多く、来館者はものづくりの歴史をたどれます。高齢者が実際に使った昔を思い起こしたり、今とは異なる形を子どもが不思議そうに見たりしています。

「洗濯機のローラーで歯磨き粉を絞った」

昭和32年発売の電気洗濯機(手前)。洗った衣類を絞るためのローラーについて、案内係の女性は「省エネのために手動になった」と解説

 同館の一角には「1号機ものがたり」と名付けられたコーナーがあります。たらいのような容器の前で案内係がスイッチを入れると、中のモーターが「ガラガラ」と音を立てて回りました。東芝が昭和5年(1930年)に発売した日本初の電気洗濯機です。壁には「主婦の読書時間はどうしてつくるか」と訴えた広告の拡大パネルがあります。洗濯板で洗う重労働から主婦を解放しようとした思いを伝えています。

 洗濯機は進化し、約20年後には服を回すモーターの音が小さくなりました。昭和32年に発売され利用が広がった、服を挟んで絞るための手動のローラー2本が付いたタイプも展示されています。来館者からは「シャツのボタンがローラーにひっかかり、はじけ飛んだ」「歯磨き粉も絞った」という思い出話が出るといいます。

 

リモコンのないテレビに驚く子どもたち

 昭和30年代、洗濯機と並び「三種の神器」の一つとして普及したのが、白黒テレビです。ともに木製の枠組みで、7インチの製品や14インチの製品が館内に置かれています。ブラウン管を内蔵して奥行きがあります。「当時、画面に映る映像を見て、テレビの中に人間が入っていると疑った人もいた」(案内係)そうです。

リモコンのないテレビに子どもは驚くといいます

 昭和35年発売の日本初のカラーテレビを含め、かつてのテレビにはチャンネル切り替え用のダイヤルがあります。見学に来た平成生まれの子どもからは「リモコンはないの? チャンネルを替えるのにテレビに近づくの?」と質問されるといいます。

 このほか、昭和53年発売の日本語ワードプロセッサー(ワープロ)を見られます。机サイズで630万円と高額だったため、主に企業や研究所で使われました。昭和60年にノートパソコン形のワープロが売り出され、9万9800円と一般人にも手の届く価格となったため、ヒット商品となりました。この頃、書類やリポートの作成は、手書きからタイピングに替わっていきました。

机くらいの大きさがあるワープロ。当時の記憶媒体は手のひらよりも大きかった

「暮らしに関わる科学技術の面白さ感じて」

 東芝未来科学館は昭和36年に川崎市の別の場所で開所しました。平成26年(2014年)に現在のJR川崎駅近くにリニューアルオープン。静電気や超電導の仕組みを体験できる科学のコーナー、ホールの人を感知し、エレベーターを自動制御するシステムなどを紹介する先端技術のコーナーがあります。

 広報担当の高橋京子さんは「人々の役に立ちたいという技術者の思いによって、新製品は生まれてきた。各コーナーを巡り、暮らしと密接に関わっている科学技術の面白さを感じてもらえるとうれしい」と話しています。

東芝未来科学館

【所在地】〒212ー8585 川崎市幸区堀川町72番地34

【電話】044-549-2200

【アクセス】JR川崎駅から徒歩1分、京浜急行京急川崎駅から徒歩7分

【開館時間】火~金 午前9時30分~午後5時。土・日・祝 午前10時~午後5時。休館日は毎週月曜(祝日の場合は翌日)、第4日曜など

【入館料】無料

【ホームページ】http://toshiba-mirai-kagakukan.jp/

 

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