認知症を理解し、予防しよう

『認知症の人と家族のための「地元で暮らす」ガイドブックQ&A』 新里和弘監修、NPO法人Dカフェnet著

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認知症カフェに集う人々の体験を糧に

『認知症の人と家族のための「地元で暮らす」ガイドブックQ&A』 新里和弘監修、NPO法人Dカフェnet著

 自ら認知症の母を自宅で介護、その死を看取(みと)った経験を持ち、認知症の介護者やケアマネジャーらが体験を語り合う認知症カフェ「Dカフェ」を東京・目黒区を中心に開設、運営する竹内弘道さんが中心となり、8月に出版した。認知症の人がその最期まで地域で暮らすための分かりやすい解説本で、関係者の間では「介護者や家族の目線で問題解決のための答えを導きだしている」と評価されている。

 アルツハイマー型の認知症を患った母を介護した竹内さんは、家族会に通って多くの人の体験談を聞くことで自ら直面した問題を解決するヒントを得ることが多く、母を自宅で看取ることができた。その経験を踏まえ、「Dカフェ」と名付けた認知症カフェを2012年に開設した。今では、個人宅や介護・看護施設、総合病院、居酒屋など10か所で、月に1~3回のカフェを開催、介護当事者、医師や看護師、ソーシャルワーカー、ケアマネジャーのほか、認知症や介護に関心を持つ人たちが集まり、認知症の家族を抱えての日常の悩み事などについて話し合っている。

竹内弘道さん

 同書は、「地元で暮らす」をコンセプトにしており、カフェに集う関係者が昨年7月から10回ほど開いた座談会をもとにまとめた。Q&Aの形式で、認知症について理解を深められるよう工夫している。「地元で暮らし、在宅で終末期を迎えるにはどうしたらいいか」というテーマについて、竹内さんは「患者目線、医療側の目線、家族の目線の三つを常に考え、問いと答えを作成した」と話している。

 第1章は「認知症の基礎知識」。認知症の不安が出てきた時の対応についてまとめている。第2章は「介護態勢をつくる」と題し、家族や専門職、チームで取り組むための問答を盛り込んだ。第3章「介護サービスを使う」は、介護保険を使うためのQ&A。第4章は「認知症ケアの心構えとアイディア」として、それぞれの症状に寄り添うための知恵を伝える。最終章の第5章「医療サポート体制を整える」には、上手に医療に頼るためのQ&Aを並べ、最後は「自宅で最後を看取るには、どんな態勢や心構えが必要?」という問答で終わる。全部で33のQ&Aを読めば、認知症のさまざまな症状について、適切な対応がとることができるようまとめられている。

 東京都立松沢病院認知症疾患医療センター長、新里和弘さんの監修を受けた。竹内さんは「認知症に関しては誤解と偏見が多いのが実情。多くの人に認知症のことを、ほんとうの意味で知ってもらいたい、というのが執筆のモチベーションだった」と振り返る。メディカ出版、1800円(税別)。(塩崎淳一郎 医療ネットワーク事務局)

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