回想ニュース

いま、かみしめる宝物の日々…よみうりランドケアセンター

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 昔の記事やニュース映像を素材にしたDVD「よみうり回想サロン」をもとに、読売新聞の記者がレクリエーションを進める「出前レク」が17日、川崎市のよみうりランドケアセンターで開かれ、近くの高齢者ら26人が参加しました。参加者は戦後の食料難や水泳選手の活躍について語り合い、DVDを見終わった後も記憶の糸をたぐり、思い出話に花を咲かせました。

昔流行した服装などについて語る高齢者ら。参加者全員に声が届くようにとマイクが回された

回想法の効果を記者が解説

 レクリエーションは、読売光と愛の事業団が地域住民に交流してもらうよう定期的に開いてきた懇親の場「花カフェ」で行われました。参加した人たちが、スクリーンに向かって椅子や車椅子に座り、半円形になってスタート。塩崎淳一郎記者が「昔を思い出すと脳が活性化、認知症の進行を抑える効果が期待できます」と回想法について説明しました。

 DVDは昭和20年代のトピックがおさめられており、スクリーンに「戦後、各地に登場したのは何いち?」と最初のクイズが映されると、会場から「闇市」の声が上がりました。「正解です」という声と一緒に拍手が湧きました。

 「闇市に行かれた方はいますか?」と尋ねる塩崎記者に、女性が「チョコレートを買った」と応じました。食べ物の確保が困難な時代を参加者は思い返し、「アメリカの兵隊からパンをもらった」「おいもをよく食べた」と話は広がりました。

 競泳の自由形で世界新記録を打ち立てた古橋広之進選手の話題になり、「自分はライバルだった」と男性は冗談を飛ばし、笑いを誘いました。「実のライバルは橋爪(四郎)選手。(フォード・)コンノ選手という速い人もいました」とラジオで競技を聞いた昔を懐かしみました。

DVD視聴後も母の思い出などが続々

 DVDを見終えた後も参加者は机を囲み、記憶に残る出来事を話し合いました。女性は、多くの死者が出た青函連絡船・洞爺丸とうやまるの転覆(1954年、昭和29年)にふれて、都内の住み込み先の主人が急用で乗らずに助かったという思い出を語りました。「無事を知らせる電話が住み込み先に入り皆で喜びました」

DVDを見た後、参加者は机を囲んだ

 母親から、子どもを背負った上から着る「ねんねこ半纏ばんてん」の下に闇市で買った米を隠した、という話を聞いた別の女性。配給以外で食料を手に入れることを禁じられ、「幼かった私をおんぶするふりをして米を確保した」と母親の苦労をしのびました。

 終了後、川崎市の主婦(90)は「(DVDを見て)苦難を乗り越え、よくぞ生きてきたと感じました。戦時中、学校で軍服をミシンで縫い、日の丸の鉢巻をして残業もしました。友達とけんかをする余裕はなく助け合いました。その日々は宝物です」と振り返っていました。

(米山 粛彦)

読売光と愛の事業団
 読売新聞社を母体とする社会福祉法人。特別養護老人ホーム「よみうりランド花ハウス」(川崎市)や介護老人保健施設「よみうりランドケアセンター」(同)を運営するほか、児童養護施設から大学などに進学する生徒への奨学金支給や障害者自立支援、災害の被災者を救援する募金などの事業を展開する。

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