なつかしスポット巡り
回想サロン
江戸~現代の歴史・思い出がいっぱい・・・江戸東京博物館(東京・両国駅前)
子どもの頃や若かりし頃を懐かしく思い出せる場所に出かけませんか--。昔の住宅や店が保存・復元されている観光名所や、当時の生活用具が展示されている博物館など、風情を楽しむことができる身近なスポットをご紹介します。
昭和の空間を再現
東京の両国国技館に隣接し、巨大な高床式建造物が特徴の江戸東京博物館。施設を新たに4月、再オープンしました。5階と6階の常設展示室では、400年にわたる江戸・東京の歩みを体験できます。戦後のコーナーは、ノスタルジー豊かな空間が再現され、子どもからお年寄り、外国人観光客らでにぎわっています。
「ここの館内はとても広く、珍しいものばかりですねえ」。島根県から観光で訪れたという70歳代の男性は、昭和30年代の集合住宅として復元された「ひばりが丘団地」(東京・西東京市)の室内と家具、雑貨などを見て、当時の生活を振り返っていました。この頃の団地は「夢のマイホーム」。玄関にはシリンダー錠付きのドアが取り付けられ、台所、浴室、トイレまで忠実に再現。ベランダには、家族の靴下も干されています。
高度経済成長期の当時は、家庭に便利な電化製品が広がった時期です。白黒テレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫は、「三種の 神器」=写真=と呼ばれました。
昭和30年頃、大学を卒業して会社に勤めた人の初任給は1万円前後でした。テレビの価格は20万~25万円、洗濯機は2万~3万円、冷蔵庫は5万~6万円と言われ、まさに「あこがれの的」だったのです。
これらの展示を見学していた横浜市の25歳の女性は、「まさに映画『 ALWAYS(三丁目の夕日)』で見た世界」と感動した様子。一緒にいた横須賀市の25歳の男性は、「団地の広さは変わらないけれど、昔に比べて今は物が増えたんだなあ」と話していました。
街頭テレビで「力道山」に興奮!
別の一角には、昭和30年前後にあった「街頭テレビ」の模型が設置され、日本テレビの映像から抜粋した力道山のプロレスや当時のニュース番組などが上映されています=写真=。
「昔はテレビが高価で自宅になかったので、よく見に行きました」と目を細めるのは、都内の70歳代男性。テレビを前に熱狂した少年の頃の思い出にひたっていました。
昭和39年に開催された東京五輪のコーナーもあり、大会ポスター、地元・墨田区の会社で製作されたという聖火ランナーのランニングシャツなどが展示されています。
給食の移り変わりも
小学校の共通の思い出として挙げられる一つは、みんなで「いただきます!」と声を合わせた学校給食でしょう。「現代の東京」コーナーでは、1960、70、80、90、2000の各年代別に給食の献立が紹介されています。
60年代の献立としては、「ソフトめんのカレーあんかけ」「牛乳」「(漬物の)甘酢あえ」「くだもの」「チーズ」が紹介されています=写真=。親子、祖父母と孫らで、「私の時はこれ」と比べ合う人も多いそうです。
館内には、昔の黒電話機、手回しミシン、真空管ラジオなども展示され、ワークショップとして、直接手に取って触る機会もあります。(※ワークショップの開催日時は随時、サイトに掲載されます)
古文書や絵図、江戸の街並みを再現した模型など、歴史ファン向けの展示物・資料もたくさんあります。
リニューアルした館内には、補聴器の音が聞きやすくなる設備のある案内窓口、多言語のボランティアガイド、音声ガイドの貸し出し、展示ガイドブックなどが整備されています。
毎月第3水曜は、65歳以上の常設展観覧料が無料となる「シルバーデー」、毎月第3土曜と翌日の日曜は、18歳未満の子を同伴する保護者(都内在住)2人の観覧料が半額となる「家族ふれあいの日」が設けられ、幅広い年代の人たちが気軽に楽しめます。
江戸東京博物館
【所在地】〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1
【電話】03-3626-9974
【アクセス】JR総武線 両国駅西口下車 徒歩3分、都営地下鉄大江戸線 両国駅A3・4出口徒歩1分
【開館時間】午前9時30分~午後5時30分(土曜日は午後7時30分まで)※入館は閉館の30分前まで
【休館日】毎週月曜日(月曜が祝日または振り替え休日の場合はその翌日)、年末年始
【料金】(常設展観覧料)一般600円、大学・専門学校生480円、高校生・中学生(都外)・65歳以上300円、中学生(都内在学または在住)・小学生・未就学児童無料
【ホームページ】https://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
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