高血圧をコントロールしよう

減塩漬物で健康寿命に貢献…丸越・野田明孝社長

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

漬物メーカー「丸越」 社長
野田明孝さん

 日本の食卓で長く存在感を示している漬物は、コメの消費量減少とともに市場が縮小傾向にある。そうした中、減塩化に取り組むことで、新たな活路を見いだそうとしているのが、創業104年の漬物メーカー、丸越(本社・名古屋市天白区)だ。減塩食品の開発・普及を通じて、健康社会の実現に貢献する企業へのインタビュー・シリーズの9回目は、同社の野田明孝社長に減塩化への取り組みと今後の展開を聞いた。

marukoshi01

消費者に受け入れられ、浅漬け専門に

――創業104年を迎える会社の概要を教えてください。

 1914年(大正3年)に創業し、当初は奈良漬、守口漬といった、しっかり漬け込んだ漬物を中心に扱っていて、昭和30年代半ば頃には浅漬け商品の販売も始めました。当時、漬物といえば保存食のイメージが強く、塩でしっかりと漬けた、濃い味付けの商品がメインでした。その中で、さっぱりとした味付けの浅漬けはとても斬新だったようで、消費者の方にたいへんな好感を持って受け入れられ、年々売り上げを伸ばしていきました。昭和60年代には、浅漬けを専門に扱う会社になりました。

「漬物は塩分高い」マイナスイメージに挑む

――減塩化商品の開発・販売に至った経緯はどのようなものですか?

 「浅漬け」という名前からして、奈良漬、守口漬に比べて浅く漬けてあり、元々塩分の少ない商品です。ただ、塩分が少ない分、保存性では劣ります。時間が つと発酵が進み、袋詰めにすると袋が膨れ上がったり、商品そのものが酸っぱくなったりするので、冷蔵のまま運搬・保管・陳列をしなくてはなりません。一方、次第に物流体制の整備が進み、冷凍・冷蔵トラックが導入され、スーパーなどの店頭でも保冷ケースが完備されるようになりました。さらに、企業努力を重ねることで、18年に販売開始30年を迎える主力ブランドの「 小夜子さよこ 」は、当初4%弱の塩分があったのを3%程度にまで下げることができました。

 ところが、それでも「漬物は塩分が高い」という世間のイメージを払拭することができませんでした。お医者さんが高齢の患者さんを診る時に、「血圧が高いですね。漬物とか塩分の高いものは控えてくださいね」とおっしゃることがあります。塩分の高い食品の代名詞として、「漬物」が使われてしまいます。そういったイメージを覆すためには、より減塩を進め、減塩を前面に打ち出した商品の開発が必要だと思い、本格的な減塩化に乗り出しました。

素材ごとの水分量の調整に苦労

――具体的に、どのような方法で減塩化を図ったのでしょうか?

 2016年6月頃から開発に取り掛かりました。減塩に取り組むどのメーカーも同じだと思いますが、ナトリウム塩をカリウム塩に置き換え、塩分を減らします。カリウム塩に置き換えることで、えぐみが生じます。そのえぐみを抑えるために、調味液の配合を変えてみたり、違った素材を加えてみたり、いろいろ工夫を凝らしました。

 漬物の場合、野菜を素材に使っており、素材ごとに含まれる水分量が違います。例えば白菜ひとつとっても、収穫地が違えば水分量が違います。それらを同じ品質に整えるのに大変苦労しました。

17日の「減塩の日」に合わせて「塩分25%OFF 羅臼昆布白菜」を販売する売り場風景

17日の「減塩の日」に合わせて「塩分25%OFF 羅臼昆布白菜」を販売する売り場風景

お医者さん“お墨付き”の漬物に

――2017年春には、30%の減塩を実現した「美味減塩 白菜漬」「美味減塩  柚子ゆず 白菜」「美味減塩  胡瓜きゅうり 漬け」の3商品のほか、「塩分25%OFF  旨味うまみ とコクの白菜キムチ」「塩分25%OFF 羅臼昆布白菜」の販売も始めました。いずれの商品も日本高血圧学会(JSH)減塩委員会の減塩 食品リスト に記載されています。

 開発にあたっては、消費者の方が商品を口にして、「え、これって本当に減塩?」と思わず言ってもらえるくらい、従来品と変わらない味を追求することを最大の課題としました。おかげさまで、事前のブラインドテストや実際に発売してからも、「え、これって本当に減塩?」という声を数多く聞き、好評をもって受け入れられています。また、減塩食品リストに記載されたことで、お医者さんからは、「塩分が気になるのなら、この漬物がいいですよ」と逆にすすめてもらえるようになりました。

対面販売から口コミ広がる

――販売促進には、どのような工夫をしましたか?

 スーパーなどの陳列棚に置いてもらって、お客さまご自身で買っていただくのに加え、デパ地下などで売り場を構え、店員がお客さまと対面で販売するという、二つの販売チャンネルを持っています。減塩化商品の販促では、対面での販売がより有効でした。店員がお客さまに「いつものよりも塩分が少ない漬物です」とおすすめする。食べてみて「これ、いいね。次からはこれにしよう」とおっしゃっていただき、それが口コミとなって徐々に広がっていったという感じですね。

marukoshi02

食のシーンに対応した新業態を展開

――今後の計画について教えてください。

 日本人の食のシーンが変わり、かつてのように毎食ご飯を食べるというような状況ではなくなりました。せいぜい1日1膳くらいでしょうか。それに合わせて、漬物の消費量も減っています。

 今、日本では、健康寿命を延ばすために減塩とともに1日に野菜を350グラム取ることを推奨していますが、実は漬物くらい手軽に野菜を取れる食品はほかにありません。生野菜でそれだけの量を取るとなると、ボウル1杯くらい食べないといけないところを、漬物だとその何分の一かですみます。ですから、そう悲観することはないと思っています。

 とはいえ、何もしないと市場は縮小するばかりなので、企業努力をしなくてはなりません。その第1のポイントが、減塩だと思っています。消費者に、「塩分が少なくていいじゃない」と言われるような減塩漬物を作り、市場の縮小に歯止めをかけたいですね。そのためには、いまの五つの減塩商品をさらに増やし、50から60ある現在の商品アイテムすべてで減塩化していく予定です。

 4年前から新しい業態として、「ベジリエ」「ピクレッドサラダ」「ぴくりら」といった三つのブランドで、サラダ風漬物の販売を展開しています。パンやパスタ、ワインといった洋食に合う漬物です。通常のサラダショップの商品だと、生鮮食品なので当日中に食べないといけないのに対し、保存が利くという利点があり、好評を博しています。いずれは、これらの商品でも減塩化を進めていきたいです。

 また18年は、小夜子の販売開始30年に合わせて、「愛されて30年キャンペーン」の展開を計画しています。このキャンペーンの中でも、減塩の取り組みをアピールできればと思っています。

[PR]株式会社丸越のおいしく、使いやすい減塩食品

美味減塩 白菜漬

美味減塩 白菜漬

<減塩率 30%>
日本食品標準成分表2015「はくさい塩漬」対比
食塩相当量 1.35g
(100gあたり)
商品の詳しい情報は こちら

美味減塩 柚子白菜

美味減塩 柚子白菜

<減塩率 30%>
日本食品標準成分表2015「はくさい塩漬」対比
食塩相当量 1.37g
(100gあたり)
商品の詳しい情報は こちら

美味減塩 胡瓜漬け

美味減塩 胡瓜漬け

<減塩率 30%>
日本食品標準成分表2015「きゅうり塩漬」対比
食塩相当量 1.30g
(100gあたり)
商品の詳しい情報は こちら

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

[PR]「減塩」チャレンジ企業に聞く