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サッポロHD 福原真弓取締役インタビュー 健康第一、社員を「ほっときません!」

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小売りも人事も「相手の気持ちをどう動かすか」

福原部長ヨコ――ご自身は、ワインの小売店の運営を長く担当されました。この現場体験はどう生きていますか?

 毎日、お客様に対面しながら、ワインとそれにまつわる食品、雑貨をおすすめしていました。実は、小売りと人事の仕事は似ていると思っています。「目の前にいる人の気持ちをどう動かすか」というところです。小売りの場合は、「予算1500円で1本買おうかな」と思っているお客様に、喜んで「2000円のを2本買おう」と思ってもらえるように努力します。

 人事は、課題や悩みを抱えている社員と話をして、「こんなやり方があるんじゃないの」とか言いながら、「よし、また頑張ってみよう」と思ってもらえば、本人も会社もハッピーです。逆に、活躍していた方が体調を崩して、元気がなくなってしまったり、仕事に向かう気持ちが衰えたりしてしまうケースを見ると、つらいですね。

――健康の大切さを実感されたことはありますか?

 新入社員のころ、上司の部長がとてもすばらしい方でした。ところが、現職中に体調を崩して亡くなられたのです。当時は私もまだ若く、在職中に亡くなるということ自体が信じられず、ショックを受けました。組織としての喪失感も、すごく大きなものでした。

 また、数年前に、同期入社の仲間を失いました。働き盛りで、ご家族のことを思っても、本当にやるせない気持ちになりました。防げる病気、防げない病気はありますが、健康であることは当たり前ではなく、とても大切、そう思うようになりました。

シニア、女性の活躍を推進

――高齢社会で増えるシニア社員への対応策はありますか?

 当社も、年齢構成で言うと、50歳代のボリュームが高くなっています。私も含めて、バブル期に入社した社員がたくさんいます。これから60代になっても活躍してもらうためにも、生活習慣病健診などに向き合ってもらうことは言い続けなければいけないと思います。

――女性社員の割合も増えていると聞いています。女性活躍の推進策はいかがですか?

 一つは妊娠・出産をどう乗り切っていくか。あるいは、不妊の問題などを抱えながら仕事を続けられる環境をどう整えるか考えています。たとえば、企業内保育所をつくり、仕事と家庭の両立がしやすくなる工夫も進めています。

 私自身もそうですが、更年期とか、まわりに言いにくい問題にどう対応するか。心の健康も含めてアプローチしていきたいですね。

――福原部長は人材ではなく「人財」と強調していますね。

 本当にそうだと思います。商品としてわかりやすいビジネスですが、どうやってブランドをつくっていくかがすごく大切で、それを実現できるのは社員なのです。やっぱり、「ビール、飲料、食品を扱う会社で働いている人は、元気で健康だよね」って言われたいですよね。そこは基本だと思います。(聞き手・塩谷 裕一)

福原 真弓(ふくはら・まゆみ)

【略歴】1964年生まれ、東京都出身。88年一橋大学社会学部卒、サッポロビール入社。総合企画部、「恵比寿ワインマート」出向などを経て、2014年サッポロビール人事部長、16年サッポロホールディングス取締役人事部長(現職)

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