KENKO企業会

体と心の健康両立を…ミズノ ~KENKO企業会から~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 今回の「KENKO企業会」の企業紹介は、スポーツ用品やスクール運営などで知られるミズノ(本社・大阪市)を取り上げる。グループ企業を合わせ、5000人を超える従業員を抱える同社の健康施策は、社内の看護師の協力を得ながら、着実にその地歩を固めている。

社長が「健康経営宣言」

 水野明人社長は昨年10月、社内向けに「健康経営宣言」を行った。人事総務部次長の谷清さんは「健康に関係する事業を行っている以上、まず従業員が健康でないと。体と心の健康の両立を目指す」と説明する。

 健康経営宣言は4項目ある。

 1.肥満など生活習慣病予備軍の比率低減
 2.メンタルヘルス不全による休業人数の低減
 3.重大疾病(がん)の予防・早期発見
 4.喫煙人数の減少

  宣言に先立つ2012年、生活習慣病予備軍を減らすため、「健康サポートシステム」を導入し、社員が過去5年分の健康診断結果をチェックできるようにした。血圧などの検査項目で基準値を超えた場合、数値が赤く表示され、社員が自らの健康状態を比較、確認できる。人事総務部の看護師、牛山晶子さんは「データがあまりに悪い社員に対しては、メールで注意を促すか、個別に健康指導を行っている」と話す。

ミズノ駅伝 こうした活動の結果、社員の腹囲などの検査項目のデータは、少しずつ改善しているという。「より目に見える形での改善につなげるためには、積極的な施策が必要」(谷さん)として、昨年末、運動を奨励するデータベース「健康KAIZEN DB」を開設した。腹囲や中性脂肪、喫煙の有無など7項目のデータが表示され、基準値に収まった場合、ミズノの商品がネットショップで買えるポイントが付与される。すべての項目を満たせば、3500円分の「ご褒美」がもらえる仕組みだ。谷さんは「このポイントで社員がスポーツ用品を買って運動をして、健康になってくれたら」と期待を込める。

 このほか、ソフトボール大会や駅伝大会=写真=、登山活動に加え、今年から社内運動会を復活させるなどして、社員が運動する機会を増やしている。

相談窓口利用呼びかけ

 メンタルヘルスについては、現在、月平均で5~10人程度の社員が休業、あるいは職場復帰に向けた「リハビリ(短時間)出勤」をしているという。牛山さんら看護師が、復職後、半年間は月1回の面談を行っているが、再発率は4割程度と高く、その改善が課題になっている。

 休業者を増やさないため、いくつか対策を打ち出している。社内報ビデオに牛山さんが年3回以上出演し、「メンタルヘルスの問題は一人で抱え込まずに相談窓口に来てください」などと呼びかけ、参考書類を職場に配布している。精神科医や看護師が管理職向けに講義をする機会も設けている。また、大阪、東京両本社では、顧問契約した精神科医との個別面談も実施している。谷さんは「メンタル不調は、本人にとっても、会社にとってもダメージ。早期発見、早期治療で対応したい」と語る。

 がんの予防・早期発見に関しては、2000年代初めに定期健康診断と生活習慣病予防検診という年2回の健診体制を確立した。自己負担費用もあった生活習慣病検診は、13年以降、35歳以上は5歳刻みの年齢の人を対象に全額を会社負担にした。今年からは40歳以上は2歳刻みで会社負担となった。ところが、16年の受診率は44%にとどまり、牛山さんは「放置している人をどう取り込むかが課題」と話す。

 社内の喫煙率は男女合計で23.3%となっている。谷さんは「たばこは百害あって一利なし。肺がん以外にも様々ながんの原因になると言われており、喫煙者を減らすことは意義深いことだと思っている」と強調する。喫煙者向けにアンケート調査を実施した結果、ほぼ半数がたばこをいったんはやめたことがあるのに、禁煙にまで至っていないことが分かった。また、喫煙者の4分の3が禁煙に関心を持っていることも判明。谷さんは「健康経営宣言で喫煙人数の減少を打ち出した以上、禁煙に関心のある従業員の背中を押す会社としての取り組みが必要」として、喫煙者向けのメールマガジンの発行や敷地内禁煙を検討しているという。

1 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

KENKO企業会