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[タレント いとうあさこさん]人生って、タイミング(下)「何もない」って、最高の幸運なのかも

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飲食が好きなので、もうダイエットはしません

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――6月で47歳。体調の変化などは感じたりしませんか?

 以前から感じてますよ(笑)。40歳になる前ぐらいから、体の変調が出てきました。
とにかくいつも疲れていますし。体力は本当に弱くて、元気な日があまりないです。その分、むしろ気力は異常に研ぎ澄まされてきています。

――お化粧ののりが悪くなったりとか?

 基本、お化粧しないので。テレビに出る時にはメイクをしてもらいますが、恥ずかしながら、46年間、自分ではメイク道具は1個も持っていないんですよ。

――それは、ある意味すごい! ダイエットの経験は?

 仕事で何度かやったことがありますが、それも40歳のときが最後だったかな。
 事務所には、あまり仕事についてのNG注文をつけてはいませんが、「ダイエットはもうこれで終わりにしてください」って伝えています。女芸人には、ダイエットをして「使用前、使用後」を見せるタイプの仕事が来やすいんです。
 そういう仕事をやりたくないわけではなくて、私自身、飲み食いを本当に大切にして暮らしてきたタイプなんです。ダイエット中だと、誰かと会っている時に「私のことは気にしないで食べて」と言わなくちゃいけない。だから、あまり人と会わなくなります。それが嫌というか。ダイエット中に隕石いんせきが落ちてきて死んだら悔しいなと思うし。どうせなら、おいしいものを食べたり、飲んだりしている時に死にたい。
 それに、私がやせたところで美人になってモテるわけではないですからね(笑)。

――健康面に問題が出る可能性もありますしね。

 女芸人にはぽっちゃり型も多いけど、本当に太っている子には、何回もダイエットの仕事が来ちゃうんですよ。だけど、そういう仕事を何度も何度もやると、生理が止まるとかも含めて体がめちゃくちゃになる可能性があります。ある程度は、仕事だから仕方ないとはいえ、後輩たちには「女性だから体のことも考えてね」とは言っています。
 ただ、私がダイエットの仕事を断る理由は健康のためではないですけどね。好きに飲みたいし、好きに食べたいから。だから今では、すっかりだらしない体になってしまいました(笑)。

おじいさんたちが私を取り合う、モテモテ生活を

――女性は50歳ぐらいを境に体調が変わってきて、生活にも影響が出てきますよね。今後の生活、人生についてどう考えていますか?

 半分冗談、それに半分本気でよく言っているのは、60歳で老人ホームに入るっていうことです。一般的に老人ホームに入るのは70、80歳になってからですよね、60歳だと「若い娘が入ってきたぞ」と、おじいさんたちの間で引っ張りだこのモテ期が来るんじゃないかと思って。
 「あさこさん、孫からもらったまんじゅうだよ」「あさこさんはこっちのイカのほうが好きだよね」などと男性が私を取り合う。私は「あっ、どうもありがとう」って、余裕で暮らしていくのが夢です。
 これは半分本気で、そのために今働いている部分もあるんです。1億円あれば、かなりいい老人ホームで暮らせますよね? 高齢者になれば医療費もかかるし、長生きするとその分お金もかかる。ある人から「1億円はめなさい」と言われたので、今がむしゃらに貯めていますけれども、全然追いつきません。こんな働いているのに(笑)。

――実績を積んだ芸人さんの中には、「映画を撮る」「本を書く」など、次の目標を持つ方もいます。いとうさんは、この先、芝居をやりたいとか、ミュージカルをやりたいなどの希望はありますか?

 浅倉南ちゃんネタで世に出していただいた時、「物事って、自分ではなく人が決めるんだな」って思ったんです。
 ピン芸人になった33歳から、ほぼ同じことをずっとやってきたのに、突然、38歳で自分の芸として認めていただいた。以前にはネタ見せでも落とされていたものが、38歳になると自虐に重みが出てきたからおもしろい、となる。
 だから、先のことはわかりません。悪声なので、歌の世界だけはないと思っていますが(笑)。
 物を書くのか、お芝居なのか……。いずれにしても、形は何でもいいから、笑いの仕事はしていたい。

――やはり、軸は「お笑い」なのですね。

 「笑い」は絶対です。さっきも大好きだとお話した伊東四朗さん、いかりや長介さんが演じる悲劇のすばらしさって、根底に喜劇があるからこその表現ですよね。泣き笑いをいっぱい積み重ねてきたからこその。
 女性の場合だって、経験値などから生まれる人間味がすごく大事だと思っています。自分の年齢も変わるし、世間のニーズも違っていくだろうけど、好奇心を失わなければ、行くべき場所が見つかるかなと感じています。

――時代の空気を感じ取るということですか?

 感じ取るというよりも、緩い波に乗るというか。私の場合、ガーンと大ブレイクしていないのがラッキーだと思っているんですけどね。

――南ちゃんネタで一躍有名になった頃、すごいブレイクだったのでは?

 あれはブレイクじゃなかったです。たくさんの先輩や後輩を見てきて、ブレイクがどういうものかも見てわかっています。今だと、ブルゾンちえみちゃんとかがブレイク中ですよね。私はそのガーンとなったことがなかったから、いつまでも「落ちたね」とも言われず、なんとなくプラプラっと続けてこられている。これ、作戦どおり(笑)。

――見ている側としては、インパクトはすごかったですよ。ニコニコしながら「なんだか最近イライラする」と言うつかみはおもしろかったです。

 47歳にもなると、ガチのイライラが増えてきたので、もうネタにならない(笑)。

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[インタビュー]Women’s Paths