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健康と経営考えるシンポ、都内で開催

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シンポ全体像 健康経営に関するシンポジウム「『人』を最大の『資産』とする『健康経営の実現』に向け!」が25日、東京都内で開かれた=写真=。企業や健康保険組合、医療法人でつくる有志団体「健康と経営を考える会」が主催したもので、700人を超える参加者は、企業経営者や関係省庁の担当者、地方自治体の首長らの事例発表、意見交換などに熱心に耳を傾けた。

「健康経営やらないと経営者失格」

 3部構成のシンポジウムの第1部では、「『健康経営』を『経営』から、本気で語ろう!」と題して、サントリーホールディングスの新浪剛史社長らが登壇。新浪氏は、ローソンのトップだった時から社員の健康作りに取り組んでいる実績を持つことから、終始、強い口調で健康経営の重要性を訴えた。
 新浪氏は「今や健康経営をやっていないと、経営者失格というような風潮になっている。大手企業のみならず、中小企業も続こうとしている」と昨今の動きを紹介し、「40歳代の頃に幾度か社員の葬式に出て、その社員がもっと早く健診に行っていれば、と考えたのが健康経営に取り組み始めた原点」と語った。従業員が健康になることで、日本全体の生産性が上がると指摘し、「社員や家族が健康であることを祈っていない社長はいない。世界に冠たる健康立国になろう」と呼びかけた。

「経営者が最低限守るべきもの」

シンポアップ 第2部では、厚生労働省や経済産業省の担当者が健康経営などへの国の取り組みを紹介した。新浪氏は、両省の担当者や日本医師会の副会長を交えたパネルディスカッション=写真=にも加わり、「働き方改革イコール健康経営。昔のように会社にひたすらいるような時代は終わった。従業員に前向きになってもらうためにも、経営者として健康は最低限守るべきもの」と、経営者層の意識改革を促した。

健診未受診は賞与減額も

 「先進事例の『健康経営』から何を学ぶか!」と題した第3部では、丸井グループ、すかいらーくグループ、日本航空、長野県松本市による事例発表が行われた。
 丸井グループは、社内の取り組みが、トップダウンではなく、社員の自発的な行動で推進されていることが大きな特徴だと強調。健康経営推進プロジェクトチームの社内募集には、定員の5倍の応募者が集まったという。チームは学習会などを開き、社員の間で草の根活動的な運動習慣が広がり、健康経営への意識が高まったことなどを報告した。
 すかいらーくグループは、一部店舗で深夜営業時間を短縮したほか、脳卒中や心筋梗塞などの突然死や病気原因の長期休養者を「限りなくゼロ」にするため、未受診者は賞与の減額措置の対象とする「健診100%」といった目標を目指す健康経営プロジェクトを開始したことなどを発表した。
 日本航空は、健康経営の実施に向けて、トップダウンとボトムアップの双方をかみ合わせる「健康経営推進体制」を構築したと報告。トップダウンの仕組みとしては、経営陣の健康経営責任者が「JALウエルネス推進委員会委員長」を兼ねるほか、全国のウエルネスリーダーの勉強会を開くなどの活動を行っている。ボトムアップについては、社員が全国で運動会やヨガ、太極拳などの活動を行い、ウエルネスリーダーがそれをバックアップする体制を整えていることなどを紹介した。また、全社員向けに健康に関する冊子を配布して、意識を高める活動を行ったことも挙げた。
 長野県松本市は、医師でもある菅谷昭市長が登壇。「健康寿命延伸都市」を掲げて様々な施策を打ち出し、市民の健康意識を高めることが健康医療関連産業の創出にもつながることなどを説明した。また、市内で圧倒的に多い中小企業は、健康経営に人材や資金を配分しにくい事情があるため、市が主導する形で「松本ヘルス・ラボ」という組織を設立。そこに各企業に入会してもらい、通勤時の「歩こう運動」やデスクワーク職場でのストレッチ体操などを実施し、それぞれの社員の健康作りを推進している事例を発表した。少子高齢化が急速に進む中で、奮闘する地方都市の取り組みが会場の関心を集めた。
 第3部の発表者と、「健康と経営を考える会」の事務局を務める医療法人社団同友会の髙谷典秀理事長が登壇したパネルディスカッションでは、とかく中高年向けというイメージの強い「健康経営」について、「健康経営を行っているのが格好いいという風土を作っていくことが今後の普及の鍵ではないか」という声が上がった。健康経営への取り組みにより学生の就職人気が上がった事例も紹介され、社内外への啓発活動が重要であるとの点で一致した。

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