私のエイジングデザイン

[女優 南野陽子さん]50歳代は「セクシーに」(中)年を取ることを楽しんだ方が生きやすい

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年齢より若く見られがちなのがコンプレックス

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 ――女優さんに限らず、多くの女性は「『あの頃の私』のままでいたい」と頑張っているように感じるのですが、南野さんはそうではなかったのですか

 やっぱり女性は少しでも若く見られたいと思うのは分かる。でも私の場合、昔から年齢より若く見られがちだったので、それがむしろコンプレックスでした。お芝居でお母さん役をやりたいと思っていても、なかなか来ないんですよ。

 もう今年50歳になるのに、30歳代の役などが来ると、ちょっと考えちゃいますよね。多少はキャピキャピした雰囲気も必要になるのに、実際の自分はそんなにキャピキャピしているわけではないから、もうしんどいんです。オフィスでガンガン仕事をしているキャリアの上司役よりも、家庭でつまみ食いしているお母さんの芝居がやりたいのに、そういう役は来ない。本当は年齢なりの不調を感じたりもしているのに。

――女性は一般的に、それを認めたくなくて、「以前はこうだったはず」という自分にしがみついたりもしますが……。

 でも、本当はそっちの方がしんどいと思いますよ。若々しく、はつらつと健康でいるのは大切だけど、ただ見た目を若づくりしても、横に20歳の女の子が来たら、はっきりと違うわけだから。

 私の場合は、テレビのバラエティー番組などで、隣にアイドルやグラビアタレント、それこそAKBの女の子たちが来たりもするわけです。並んでしまうと、もちろん若さではかなわない。同じミニスカートをはいたってね。だったら、その人たちにはまだ似合わない、オトナのお着物やロングスカート、パンツ姿でいた方がいいわって思うんです。

 イタリアやフランスの女性って、年を取るのをちゃんと楽しんでいますよね。私たちも、そちらに考え方をシフトした方が生きやすいし素敵です。

――確かに欧米の女性は、若いときは若いときの美しさやはつらつさ、そして年齢を重ねたら相応の美しさをきちんと出していく。女性の美に対する認識も成熟しているようですね。日本でも、若さにばかりしがみつくのでなく、40歳代の美しさ、50歳代の美しさといったものをもっと表現できたり、求められたりしていくといいなと感じます。

  ええ、そうですね。昨年、芸能生活30周年のコンサートを開いたのですが、アイドルとしてのコンサートはおしまいでいいと思っています。ただし、今年、出演する舞台「音楽劇 大悪名 ~The Badboys Last Stand !~」は音楽劇ですし、歌を歌わないつもりはない。歌は大好きですし、これからも歌いますよ。でも、いわゆるフリフリでキャピキャピはおわり。

――オトナの女性の美しさへ、シフトですね

 誰でも個性があって、私の場合はタイプ的にスタイリッシュなイメージはない。それもあって、いずれは、朗らかなおばあちゃんになりたいなと考えています。だから、ギスギス、シワシワはよくない。少しぐらいポチャッとしていて、みんなが気軽に話しかけたくなったり、背中をさすってもらえたりするおばあちゃんの方がいいじゃない? 若い子に、さっと手を引いてもらえるおばあちゃんになりたいんですよ。

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「新しいこと」に手を出さない

――そんなおばあちゃんを目指すにしても、まだ早いですよね。南野さんは今、ある意味変わり目の年代だと思うのですが、今の年齢なりの健康や、美しさというものについて、どのようなことを心がけていらっしゃいますか。

 50歳代は、「やり過ごす」。

――え?(笑)

 というか、あまり自分から動かない。いろいろ「新しいこと」などにも手を出さない。

――なぜ、そういう考えに至ったのですか?

 私に限らず、20歳代や30歳代の時期は、みんなきっとバタバタと過ごしてきたと思うんですよ。同年代の方々は、バブルの時期を経験し、社会全体が浮かれ気味で(若者として)持ち上げられたかと思ったら、重苦しい情勢となり、重い責任を抱える年齢になっていたり、子どもを必死になって育てていたり。本当に無我夢中で来たはずです。だから、「そろそろ楽をしてもいいんじゃないの?」と感じるんです。

 もう、いわゆる「更年期」ですしね。この何となく不調を抱える時期に、昔と同じようにがむしゃらに頑張っても、そんなにいい成果は上がらないように思うの。男の人は分からないけど、女性は、この不調を感じる年齢になったら、次の段階に向けて静かに過ごすというイメージかな?

>>[女優 南野陽子さん](下)やんちゃな色気でなくエレガントに

minamino_photo200南野 陽子【みなみの・ようこ】
1967年、兵庫県伊丹市生まれ。1985年に「恥ずかしすぎて」で歌手デビューし、「楽園のDoor」「はいからさんが通る」「吐息でネット」などでオリコンシングルチャート9作1位を記録した。女優としても、デビューと同時にテレビドラマ「時をかける少女」「スケバン刑事Ⅱ少女鉄仮面伝説」に主演。これまで250作以上のドラマや舞台などに出演し、映画では「寒椿」「私を抱いてそしてキスして」(ともに1992)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞、「三たびの海峡」(1995)で横浜映画祭助演女優賞を受賞した。2008年にファッションブランド「Actress Princess」を立ち上げた。2月に昨年のデビュー30周年記念コンサートを収録したBlu-ray&DVD「NANNO 30th & 31st Anniversary」を発売。5月から6月にかけて全国8会場で上演される「音楽劇 大悪名 ~The Badboys Last Stand!~」(http://www.co-colo.com/live/2017daiakumyou/daiakumyou.html)に出演する。
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[インタビュー]Women’s Paths