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東京商工会議所で長時間労働巡るセミナー

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 170516東商健康経営セミナー「働き方改革」が広く社会的な関心を集める中で、中小を中心とした企業の人事・労務担当者らが集まったセミナー「長時間労働が招く経営リスクへの備えとは~『健康経営』へ取り組もう~」(東京商工会議所主催)が16日、東京都内で開催された。

 約120人の参加者は、長時間労働の是正が、従業員の健康被害を防ぐためだけでなく、経営側にとっても重要で、民事、刑事責任をはじめ様々な責任を問われるリスクを回避するため、是正に向けて迅速に対応すべきだ、という趣旨の講演に聴き入った=写真=。

 ◇ ◆ ◇  

 東商は、時間外労働やそれに伴う長時間労働に対する関心が従業員だけではなく、企業経営の視点からも高まっているとして、今回のセミナーを開いた。

 講演には、三井住友海上火災保険・営業推進部法人開発室の斎藤英樹課長が登壇。「長時間労働が招く経営リスクへの備えとは」と題して経営側から見た長時間労働がもたらすリスクについて語った。

 斎藤氏は、長時間労働による企業の「4大責任」を列挙。①企業が行政による指導を受けるなどの「行政責任」、②安全配慮義務違反などで損害賠償請求が行われる「民事責任」、③労働基準法違反が問われる「刑事責任」、④信用失墜といった会社のイメージダウンをもたらす「社会的責任」を挙げた。斎藤氏は、今や大企業だけではなく、中小企業でもこれらの責任が厳しく問われるようになったと指摘し、「4大責任」への意識を高めることの重要性を強調した。

 その後、過労死を防ぐための法律の施行や行政の動きなどを説明し、社会全体が長時間労働を是正する流れになっていることを示した。そして、経営側が行うべきこととして、長時間労働が実際にあった場合には、残業禁止命令を出したり、強制的に休暇を与えたりするなどの手だてをとる「事後措置」について解説。長時間労働への危機意識を、経営者に限らず、人事・労務担当者も持つことの大切さを語った。

 斎藤氏はこのほか、過重労働は従業員の脳、心臓疾患発症のリスクを高めることも取り上げた。精神障害にかかわる労災請求が年々増え続け、厚生労働省の調べで2015年度には過去最多の1515件に達したといったデータなども示して、従業員の管理監督者すべてが安全配慮義務を課せられているとした。また、政府内で関連法案提出に向けて準備が進んでいる残業時間上限規制などにも言及。経営側に課せられる責任が以前に比べて重くなっていることの証左とした。

 東商の担当者は、「長時間労働による従業員の健康悪化は生産性の低下につながるだけではなく、労働紛争や訴訟問題を生じさせることもある。人事・労務担当者には、現在関心が高まっている『働き方改革』についての考え方をしっかり把握していただきたい」と話していた。

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