私のエイジングデザイン

香りの効果はマジック?それとも…(上)  心や体、そして肌にも影響

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香りの効果は、「気のせい」ではなかった

 好きな香りに包まれて過ごしていたい――。

 誰もがそう思っているはずだ。目で見ることも手で触れることもできないのに、そのときどきの気持ちに大きくかかわる。海に行けば潮の香りで気持ちが晴れ晴れとしてくるし、森林で木の匂いに包まれれば、すーっと心が落ち着いていくのを感じる。

 魅力的な人がいい香りを漂わせていたらうっとりしてしまうが、好きじゃない匂いだったら魅力は半減する。

 香りは、恋のコミュニケーションツールとして、源氏物語にもたびたび登場する。「香り」を辞書でひも解けば、「つややかな美しさ」(広辞苑 岩波書店)ともあるように、美と香りはとても深いつながりがあることがわかる。

 時を越え、人の心に働きかける香り、奥が深く不思議なものだ。

 エッセンシャルオイル(精油)の力を借りて、からだや心のリラクゼーション、ストレスの解消、睡眠の質の向上を実感できるアロマセラピーの人気も根強い。

 とはいえ、香りが健康にもいい影響があるのかと言われれば、「暗示にかかっているだけ」「気のせいじゃないの?」などと、疑心暗鬼にもなってしまう。

香りの生理効果研究に長年携る先端領域研究グループマネージャーの合津陽子さん

香りの生理効果研究に長年携る先端領域研究グループの合津陽子さん

 そこで、資生堂ライフサイエンス研究センター(横浜市)を訪ね、香りの生理効果研究に長年携わる先端領域研究グループの合津陽子さんに、香りの科学的な効果についてじっくりと話を聞いた。

 「香りにはいろいろな可能性があることがわかってきました。香りは私たちの心や体、そして肌の状態にも大きく影響を与えます。自分自身のコンディションを良い状態に向かわせてくれるパートナー、でしょうか?」

 国内化粧品のリーディングカンパニーとして、香水やコロンなどのフレグランス製品はもとより、スキンケア、ヘアケア、ボディーケア、健康食品まで、同社の製品が心地よい香りにこだわっているのは誰もが認めるところだろう。

 「香り」は、私たちの健康にどう関わっているのだろうか。

 アロマセラピーの効果などを考えると、特定の香りが人のメンタル面に良い影響を与えることは確かだろう。実際に、ストレスに対する香りの効果について、資生堂が発表した論文によると「脳波の解析によりハイブリッドティーローズの香料成分のひとつに鎮静効果があることがわかった。この成分を嗅ぐと主観的に感じるストレスの程度が軽減し、唾液中のストレスホルモン濃度も低減した」とのこと。

資生堂の研究拠点、資生堂リサーチセンター(横浜市)

資生堂の研究拠点、資生堂リサーチセンター(横浜市)

 香りの効果は、単なる「気のせい」ではなかった。

 他にも、アトピー性皮膚炎の患者さんの睡眠不調を改善することで治療を補助したり、抑うつ症状に対する効果なども報告されている。

 さらに。

 女性が月経前に感じる不快感、イライラ、憂鬱、むくみ、腰や背中の痛み、眠気などに対しても、香りが効果を発揮し、症状を軽減する効果があるという。

(つづく)

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