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医療大全

卵巣腫瘍

卵巣腫瘍

らんそうしゅよう
Ovarian tumor

【初診に適した診療科】
婦人科、産婦人科
【どんな病気か】
卵巣は子宮の左右両側にひとつずつあり、直径が2~3cm程度です。この卵巣にはれが生じた状態を卵巣腫瘍といい、多くは片側に発生します。卵巣腫瘍は臨床経過から良性、悪性、境界悪性の3群に分類されます。
 卵巣嚢腫(のうしゅ)はほとんどが良性の卵巣腫瘍で、卵巣のなかに液体成分がたまってはれている状態です。婦人科臓器に発生する腫瘍のなかで、子宮筋腫と並んで最も発生頻度が高い腫瘍のひとつです。卵巣嚢腫にはいくつかの種類がありますが、成熟嚢胞性奇形腫が最も頻度が高く、その半数以上を占め、大部分は20~30代に発生します。
 境界悪性卵巣腫瘍は良性と悪性の中間的なもので、通常は確実に摘出してしまえば生命に関わることはありません。
 悪性の卵巣腫瘍である卵巣がんは、初期の場合なら完治率も改善傾向にありますが、現在でも卵巣がんの生命予後は、進行期にもよりますが、厳しいとされています。
【原因は何か】
卵巣腫瘍は非常に種類が多く、その発生原因も多岐にわたります。たとえば、前述の成熟嚢胞性奇形腫は胚(はい)細胞腫瘍と呼ばれ、胎児が発生する段階の細胞が卵巣の内部で腫瘍を形成したものです。
 卵巣がんは通常、遺伝子(がん抑制遺伝子)の異常によって発生すると考えられています。家族性卵巣がん・乳がんなどの家系があることも知られています。
【症状の現れ方】
卵巣腫瘍の主な症状は、腹部膨満感(ぼうまんかん)、下腹部痛、性器出血、便秘、頻尿、おりものの増加などがあります。一般に、最も多く現れる初発症状は、下腹部、とくにどちらか片側の腹痛です。卵巣腫瘍は早期発見が完全な治療を受けるためには必要ですが、特徴的な初発症状が乏しく、腫瘍のサイズがかなり大きくなってからでないと症状が出てきにくい病気で、発見が遅れがちです。
【治療の方法】
通常、良性の卵巣嚢腫が疑われ、腫瘍のサイズが直径10cm以内であれば腹腔鏡下腫瘍摘出術が可能です。サイズがそれ以上だったり、画像診断で悪性が疑われる場合には、開腹による腫瘍切除が必要になります。 卵巣がんであれば、通常、子宮の摘出、大網(胃と大腸の間の膜)の切除、腹膜播種(はしゅ)病変の切除、リンパ腺の郭清(かくせい)(リンパ腺を摘出し、転移の有無を調べる)を初回手術として行い、手術後約1~2週後から抗がん薬を用いた化学療法を行います。

(C)法研

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