文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

医療大全

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア

ようついついかんばんヘルニア
Lumbar disc herniation

【初診に適した診療科】
整形外科
【どんな病気か】
腰椎は5個の椎骨からなり、上半身を支える脊柱(せきちゅう)のなかでも最も大きな荷重を受けもちます。同時に可動性も大きいため、椎間板の障害を起こしやすい部位です。
 椎間板ヘルニアは椎間板・線維輪に亀裂が入って、内部の髄核(ずいかく)が脱出して神経組織を圧迫した状態です。通常、激しい腰痛と片側の下肢痛・しびれ感を引き起こします。疼痛やしびれ感の部位は、圧迫される神経によって異なります。神経症状の強い場合は、障害神経の支配筋に運動麻痺を生じます。神経根の圧迫による完全な運動麻痺の回復は困難であり、注意を要します。
 有病率は人口の約1%とされ、好発年齢は20~40代で比較的若い人に多い病気です。
【症状の現れ方】
多くの場合、初期には腰痛が出現し、その後片側の足の痛みやしびれが加わってきます。重量物の挙上などで急に腰痛が出現する場合と、徐々に起きる腰痛の場合があります。腰痛に続いて大腿から下腿や足部にかけて電気の走るような痛みやしびれが加わってくることが多く、ほとんどは片側性です。この痛みは、咳やくしゃみで増悪するのが特徴的です。
 さらに排尿・排便の感覚がわからなくなったりする場合は緊急に対処する必要があります。
【治療の方法】
通常、進行性の麻痺症状がある場合を除き、保存療法を行います。保存療法として、まずは急性期のベッド上安静からコルセットによる安静があります。薬物療法としては、消炎鎮痛薬や筋緊張弛緩薬などが疼痛軽減に有効です。さらに疼痛が激しい場合は、硬膜外ブロックや神経根ブロックなどのブロック療法があります。ほとんどの場合、3カ月以内の保存療法で軽快します。
 運動麻痺が進行する場合や排尿・排便障害が出現した場合、また保存療法で疼痛が軽快しない場合などは手術療法が選択されますが、手術に至るのは10~30%程度です。 後方からの椎間板切除術が一般的ですが、肉眼による手術のほかに顕微鏡や内視鏡を用いて手術による侵襲をできるだけ小さくする術式があります。
 手術療法での問題点としては5~10%程度の再発があり、手術を受ける際には理解しておく必要があります。

(C)法研

「腰椎椎間板ヘルニア」に関連する記事

シリーズ

医療相談室で見る

「腰椎椎間板ヘルニア」に関連する相談を見る