文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

医療大全

慢性膀胱炎

慢性膀胱炎

まんせいぼうこうえん
Chronic cystitis

【初診に適した診療科】
泌尿器科
【どんな病気か】
慢性膀胱炎は膀胱の炎症が持続しているもので、急性膀胱炎と同じようにほとんどが細菌の感染によって起こります。 原因菌としては、大腸菌以外の緑膿菌(りょくのうきん)、腸球菌、ブドウ球菌などの割合が急性膀胱炎よりも高く、複数の細菌が感染していることもあります。また、結核菌によるものもあります。
 尿の流れが悪くなったり、感染が持続したりするような状態、たとえば前立腺肥大症、前立腺がん、膀胱結石、膀胱腫瘍、尿道の狭窄(きょうさく)、神経因性膀胱、膀胱異物、尿道カテーテル留置などがある場合にはとくに起こりやすくなります。
【症状の現れ方】
下腹部の不快感、頻尿(ひんにょう)、排尿痛、尿意切迫感、残尿感、下腹部痛、血尿、尿失禁など急性膀胱炎と同様の症状があり、それが持続したり繰り返したりします。一方、排尿後に何となくすっきりしないといった違和感や、尿の混濁があったりするだけで、ほとんど症状がないことも少なくありません。
【治療の方法】
細菌感染に対しては、抗菌薬を主に内服しますが、その原因となる病気が存在する場合には治りにくいことがあります。
 薬が効きにくい場合、何度も繰り返す場合、血尿や発熱などを伴う場合などは原因となる病気がないかを検査し、原因が見つかった場合は、それに対する治療を考慮する必要があります。
【病気に気づいたらどうする】
慢性膀胱炎では前述のように症状がはっきりしないこともありますが、尿検査で尿路感染症の所見が認められることがあるので、尿の検査を受けるようにしましょう。
 また、膀胱炎の症状が長く続く時や繰り返す時、血尿が続く時、発熱を伴う時などには原因となる病気が隠れている場合があります。このような時には泌尿器科の専門医に相談し、適切な検査を受けてください。

(C)法研

医療相談室で見る

「慢性膀胱炎」に関連する相談を見る