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医療大全

慢性膵炎

慢性膵炎

まんせいすいえん
Chronic pancreatitis

【初診に適した診療科】
消化器科、内科
【どんな病気か】
継続的なアルコールの多飲などによって膵臓に持続性の炎症が起こり、膵臓の細胞が破壊されて、実質の脱落と線維化(膵臓の細胞がこわれ、線維が増えて硬くなる状態)が引き起こされる病気です。このような変化の多くは元にもどりません。男性に多く、男女比は2対1、発症年齢は男性50代、女性60代にピークがみられます。
【原因は何か】
アルコール多飲による原因(アルコール性)が68%と最も多く、次に原因不明の特発性20.6%、胆石性3.1%と続きます。
【症状の現れ方】
典型的な症状は上腹部痛、腰背部痛で、そのほか吐き気・嘔吐、食欲不振、腹部膨満感などがみられます。疼痛は食後(油分の多い食事)や飲酒後に起こりやすい傾向がありますが、とくに誘因がなく突然起こることもあります。
 慢性膵炎が進行した後期になると、これらの症状は現れなくなり、代わって膵臓の外分泌機能不全による消化吸収障害としての脂肪性下痢や体重減少、内分泌機能不全(インスリン分泌低下)による糖代謝障害(膵性糖尿病)が認められるようになってきます。
【治療の方法】
経過中に急激に悪化して(急性増悪(ぞうあく))強い症状が現れた場合は、急性膵炎と同じ状態と考えられるので、同様の治療が必要になります。
 急性増悪まではいかないまでも、軽度から中程度の症状の場合は原因あるいは誘因を極力避けること、具体的には節酒・禁酒を守る、脂肪の多い食事を避け(脂肪量を1日40g以下に)、蛋白質も0.5~0.8g/体重kgに制限します。急性増悪を繰り返す場合は1回の食事量を少なくし、食事回数を4~5回にして、分けて摂取するように指導します。 持続する腹痛や消化吸収障害に対しては薬物療法を行います。膵性糖尿病は通常の経口糖尿病薬ではコントロール困難な場合が多く、一般にインスリン注射が必要になります。
 慢性膵炎での特殊治療として、膵石に対する対外衝撃波結石破砕療法(ESWL)や内視鏡治療、膵管狭窄や膵仮性嚢胞(すいかせいのうほう)に対するドレナージ治療(管を挿入して内容物を吸引する)などがあります。
 これらの治療法の発達で、慢性膵炎に対する外科的治療は以前に比べて少なくなりました。

(C)法研

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