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医療大全

慢性喉頭炎

慢性喉頭炎

まんせいこうとうえん
Chronic laryngitis

【初診に適した診療科】
耳鼻咽喉科
【どんな病気か】
喉頭とは、空気の通り道である気道の一部で、首の真ん中にある器官です。喉頭は声帯を振動させて声を出す発声機能と、食べ物を飲み込む時にむせないようにする嚥下(えんげ)機能をもっています。喉頭の粘膜に起こった急性喉頭炎が治りきらないまま、喉頭の炎症が慢性化した状態が慢性喉頭炎です。
【原因は何か】
急性喉頭炎の反復、あるいは上気道や下気道からの炎症の波及、とくに副鼻腔炎の後鼻漏(こうびろう:蓄膿症のうみが鼻からのどに垂れてくること)が原因になります。塵埃(じんあい)や刺激ガスに慢性的にさらされる職業や、のどを酷使する職業も原因になります。また、喫煙習慣による慢性喉頭炎も多くみられます。
【症状の現れ方】
声がれ(嗄声(させい))、声が出しにくい、のどの異物感、咳などの症状が現れます。
【治療の方法】
薬物治療は症状が強い場合や急性の増悪が認められた時に行いますが、消炎薬、鎮咳(ちんがい)薬、抗生剤の経口投与や抗生剤、ステロイドホルモンなどのネブライザー吸入が行われます。
【病気に気づいたらどうする】
慢性の刺激が原因になっているので、治るまでに時間を要することが多いのが現状です。また、似た症状を示す喉頭がんや声帯ポリープなどの他の疾患との区別も重要です。とくに2週間以上声がれなどの症状が続く場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。

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