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医療大全

発作性上室性頻拍

発作性上室性頻拍

ほっさせいじょうしつせいひんぱく
Paroxysmal supraventricular tachycardia (PSVT)

【初診に適した診療科】
内科、循環器科
【どんな病気か】
突然脈拍が速くなり、しばらく続いたあとに突然止まる頻拍で、心房あるいは房室接合部と呼ばれる心室以外の組織が頻拍に関わっているものを指します。
 突然現れて突然止まる頻拍は、一般にリエントリー(回帰興奮あるいは回帰収縮)によって起こります。発作性上室性頻拍には、WPW症候群の房室回帰性頻拍、房室結節リエントリー性頻拍、心房内リエントリー性頻拍、洞結節(どうけつせつ)リエントリー性頻拍の4種類が含まれます。
 いずれの発作性頻拍も、体位の変換に伴って起こることが多いようです。若年者では運動中に発作が起こることや、逆に睡眠中に生じることもあるようです。
【症状の現れ方】
突然生じてしばらく続き、突然止まる動悸や胸部違和感として自覚されます。頻拍が生じていない時はまったく正常です。頻拍が長時間続くと、心機能が低下してうっ血性心不全の状態になることがあります。
【治療の方法】
発作性上室性頻拍は、房室回帰性頻拍と房室結節リエントリー性頻拍とが90%を占め、ともに房室結節がその頻拍の回路に含まれています。ですから、房室結節の伝導を抑えると頻拍は止まりますし、予防もできる可能性があります。
 房室結節伝導を抑える薬物としては、カルシウムチャネル遮断薬、β(ベータ)遮断薬、ジギタリス、ATP製剤などがあります。カルシウムチャネル遮断薬としては、ベラパミルとジルチアゼムが一般に使われています。ATP製剤は、ゆっくり静注(静脈注射)したのでは効果が低く、急速に静注すると房室結節伝導を抑えます。この性質を利用するとATP製剤は反復投与が可能なので、最近ではATP製剤の急速静注が頻繁に行われるようになっています。
 非薬物療法として、確実に発作性上室性頻拍を止めるには、直流通電による電気ショックを選択します。
 別の非薬物療法として、高周波カテーテル・アブレーションがあります。頻拍が関わる組織を焼灼(しょうしゃく)して頻拍を根治させる治療法で、治療成績がよいので薬物療法に取って代わられようとしています。頻拍を根治させるので予防的治療法になり、WPW症候群の房室回帰性頻拍と房室結節リエントリー性頻拍の2つ頻拍に関しては、この方法が予防的治療法の第一選択になっています。

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