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医療大全

黄体機能不全

黄体機能不全

おうたいきのうふぜん
Luteal insufficiency

【初診に適した診療科】
婦人科、産婦人科
【どんな病気か】
黄体とは、卵巣で卵胞(らんぽう)が排卵したあとに変化してつくられる器官です。主にプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌し、受精卵の子宮内膜への着床や妊娠の維持に重要な役割を果たしています。
 黄体機能不全とは、黄体からのホルモン分泌が不十分になったり黄体の存続そのものが短縮する状態を指し、不妊症の原因にもなります。
【原因は何か】
卵巣機能は、間脳視床下部(かんのうししょうかぶ)、脳下垂体(のうかすいたい)という性機能を司る脳の中枢によって調節されています。これらの中枢が、性周期の適切な時期に適切なホルモンを分泌することにより、卵巣における排卵やホルモン分泌が正しく行われるわけです。 したがって、視床下部、下垂体の機能異常があると、黄体機能不全となることがあります。また、中枢に異常がなくても卵巣自体の異常のために卵胞から黄体への移行が不完全になることもあります。糖尿病などの全身性の病気や喫煙などの嗜好品、精神的ストレスによって卵巣機能不全となり、黄体機能不全の症状を示すこともあります。
【症状の現れ方】
黄体期が短縮することで月経周期が全体として短縮したり、黄体期、すなわち予測される月経の発来前約2週間に異常出血を起こしたりします。
 黄体期に自覚しやすい症状(乳房が張る、体が熱いなど)が起こりにくいことも特徴としてあげられます。しかし、これらの症状を変化として気づかない場合もあります。
【治療の方法】
黄体機能不全の原因となっている因子に対する治療が主となります。
 中枢機能の不整のために排卵が正しく起こらない状態と考えられる場合には、積極的な排卵誘発療法が行われます。これに黄体期での黄体ホルモンなどの補充を加えることもあります。ただし、これらは妊娠を望む人に行われる治療であり、妊娠を希望しない人には必ずしも必要ではありません。
【病気に気づいたらどうする】
黄体期に出血がみられることも黄体機能不全の症状のひとつですが、不正性器出血の可能性もあるので、黄体期出血に対しては妊娠の希望がなくても医師の診察を受けることをすすめます。

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