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医療大全

鼻茸

鼻茸

はなたけ
Nasal polyp

【初診に適した診療科】
耳鼻咽喉科
【どんな病気か】
副鼻腔粘膜(ふくびくうねんまく)または鼻腔粘膜から生じる炎症性増殖性の腫瘤(しゅりゅう)で、形は、茎を有する洋梨状、釣り鐘状で、みずみずしく浮腫状のものから、発赤があるもの、線維性のものなど、多種多様です。また、単房性のもの、多房性のもの、鼻腔内を充満するもの、さらには後鼻孔(こうびこう)方向に発育する後鼻孔鼻茸もあります。鼻ポリープとも呼ばれています。
【原因は何か】
鼻茸の発症の原因は単一なものではなく、種々の因子が関与しているものと考えられています。しかし、鼻茸は副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息の症例での合併が多いため、感染とアレルギーが原因として最も有力です。
【症状の現れ方】
最も頻度の高い症状が鼻づまりです。鼻づまりが両側にわたって高度な場合は両側性鼻茸、あるいは後鼻孔ポリープも疑うべきです。次いで頻度の高い症状は嗅覚障害、鼻汁(びじゅう)、後鼻漏(こうびろう:鼻汁がのどにまわる)、頭痛です。また、喘息、アレルギー性鼻炎が合併する場合には、それぞれの症状が伴います。
【治療の方法】
全身的薬物療法としては、気管支喘息などの合併がなく、膿性あるいは粘膿性の鼻汁を伴う鼻茸の場合は感染型副鼻腔炎に伴う鼻茸の可能性が高いため、14員環系(いんかんけい)マクロライド(エリスロマイシンなど)の少量長期投与(マクロライド療法)を行います。またアレルギー要素の強いと思われる鼻茸、あるいは喘息の合併する鼻茸に関しては、抗アレルギー薬の内服、ステロイド薬の点鼻が行われます。
 このような保存療法で効果が得られない場合は手術が選択されます。単なる鼻茸切除だけでは高率に再発を起こすため、内視鏡下で鼻内副鼻腔手術を行って病巣を除去します。

(C)法研

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