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医療大全

乳がん

 毎年4万人が新たに乳がんと診断され、日本女性の20人に1人がかかる病気だ。早期に見つけて治療すれば9割が治る。自分でさわってしこりに気づくことも多いが、検診も勧められている。がんを治すだけではなく、乳房を残したまま治療する乳房温存手術など見た目にも配慮した診療が広がっている。

 【症状】乳房のしこりや変形

 【診療科】乳腺外科、乳腺科、外科

乳がん

にゅうがん

【初診に適した診療科】
外科
【どんな病気か】
乳汁を分泌する乳腺小葉上皮、あるいは乳管までの通り道である乳管の上皮から発生するがんです。
 乳管内あるいは小葉内にとどまっていて、血管やリンパ管に浸潤していないものを非浸潤がんといいます。非浸潤性乳管がんは比較的少数です。欧米では非浸潤性小葉がんは悪性疾患としては扱われず、経過観察が原則になっています。浸潤がんは、血管やリンパ管から全身への血流にのり、リンパ節、骨、肺、肝臓、脳などに転移します。また、乳房全体が炎症状にはれ、すみやかに全身への転移を起こす炎症性乳がんという極めて予後不良のタイプもあります。
【原因は何か】
乳がんを発症する危険因子として、近親者に乳がんにかかった人がいること、過去に乳頭腫や線維腺腫などの病変にかかったことなどが最も重要視されます。これらは遺伝的要因によるものです。そのほかにも出産を経験していないこと、授乳をあまりしていないことなども危険因子になります。
【症状の現れ方】
90%以上は痛みを伴わない乳房腫瘤で、患者さんは自分で腫瘤を触れることができます。また、一部の乳がんでは乳頭からの分泌物を症状とすることがあります。乳がんによる乳頭分泌物は血液が混じったものが多い傾向にあります。そのほか、乳頭や乳輪の湿疹様のただれを症状とするものもあります。症状があった場合に、専門医の診察を受けるかどうかで患者さんの運命は大きく変わります。検診によって発見される無症状の乳がんは数%以内です。
【治療の方法】
臨床病期が2期までであれば乳房の温存療法も可能です。乳房の部分切除、腋窩(えきか)リンパ節の郭清(きれいに取り除く)、放射線照射、薬物治療(抗がん薬、内分泌療法薬)を組み合わせた集学的治療です。乳がん組織のホルモン受容体が陽性なら内分泌療法をメインにします。受容体が陰性の場合やリンパ節転移がある場合、腫瘍の組織学的悪性度が高い場合は抗がん薬治療を考慮します。閉経前の患者さんは受容体陰性で悪性度が高いことが多いので、抗がん薬治療が行われることが多く、閉経後の患者さんでは内分泌療法が有効であることが多いようです。
 多発腫瘤や、乳腺内に広汎に広がった乳がんの場合は、非定型的乳房切断術を行います。3期以後の乳がんであれば、まず薬物治療を行い、有効な症例については手術を行うことがあります。4期は根治的治療の対象とはなりません。

(C)法研

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