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医療大全

低血圧(症)

 明確な定義はないが、最高血圧が100未満の場合を言うことが多い。厚生労働省の2011年調査では、29歳以下の女性の3割弱が該当する。朝起きづらい、全身のだるさ、肩こり、食欲不振、手足の冷えなど様々な不調が出ることがあるが、数値が低くても日常生活に支障がなければ治療する必要はない。立ち上がった際に急に血圧が下がって失神の原因にもなる「起立性低血圧」、食事の後に血圧が下がる「食後低血圧」や、薬の副作用で血圧が下がる場合もある。血圧を上げる薬もあるが効果は限られており、生活リズムを整える、軽い運動を続けるなどの生活習慣の見直しが中心となる。

 【診療科】 内科、循環器内科

低血圧(症)

ていけつあつ(しょう)

【初診に適した診療科】
内科、循環器科
【どんな病気か】
低血圧症とは、一般に収縮期血圧が100mmHg未満をいうことが多く、まったく症状がない人から、立ちくらみ、めまい、失神(一時的な意識消失発作)、全身倦怠感(けんたいかん)などの症状を伴う例までさまざまです。このような症状が認められる場合には、低血圧症として治療や管理の対象になることがあります。
 低血圧症では、安静時にすでに血圧が低い場合や、立位を維持している時や体位変換時、とくに臥位(がい:寝た状態)や座位から立ち上がった時に血圧が下がる場合があり、原因疾患と体位との関係は非常に重要です。
【原因は何か】
低血圧を起こす原因として、全身に循環している血液量(循環血液量)の減少や心臓から送り出す血液量(心拍出量)の低下、末梢血管の抵抗や血液の粘稠度(ねんちゅうど:粘りけ)が減少することが考えられています。
 低血圧症は、原因となる病気が明らかでない場合を本態性低血圧症、原因となる病気が認められる場合を症候性(二次性)低血圧症、起立に伴って認められる場合を起立性低血圧症として分類されています。 このような原因疾患の有無からみた分類と異なり、症状の出現の早さからみた分類があり、急性低血圧症と慢性低血圧症に分けられます。急性低血圧症が、ショックや急性の循環不全を示すような急激な症状が出現する場合であるのに対し、慢性低血圧症は急性低血圧症のように激しい症状を示すことなく、症状がゆっくりと出現し、持続します。急性低血圧症は慢性低血圧症に比べると重症であることが多く、ほとんどの患者さんでは救急処置が必要となります。
【症状の現れ方】
本態性低血圧症は慢性低血圧症を示すため症状は持続的であるの対し、症候性低血圧症は原因疾患の違いにより急性または慢性の症状発現を示します。一方、起立性低血圧症では体位の変換に伴い急性に症状が出現します。
【治療の方法】
まず、症候性低血圧症の有無の鑑別が重要です。症候性低血圧症の場合は原因疾患の治療が優先されます。一方、本態性低血圧症の場合は、愁訴に対して食事療法、運動療法、生活リズムの調整などの生活指導を行い、それでも効果が認められない時は薬物療法を試みます。

(C)法研

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