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医療大全

多嚢胞性卵巣症候群

多嚢胞性卵巣症候群

たのうほうせいらんそうしょうこうぐん
Polycystic ovary syndrome(PCOS)

【初診に適した診療科】
婦人科、産婦人科、内科
【どんな病気か】
 多嚢胞性卵巣症候群は(1)肥満、(2)月経異常(生理が来ない、間隔が長いなど)、(3)男性型の多毛(濃いひげやすね毛、へその高さまで広がる陰毛など)を3つの大きな徴候とする疾患群です。
 明確な原因はまだ特定されていません。インスリン抵抗性(肥満でよくみられる、血糖が下がりにくい状態)や、卵巣からの男性ホルモン過剰産生など、複数の要素が組み合わされてできた状態であると考えられています。名称のとおり、卵巣には多数の嚢胞が観察されます。
 治療には、妊娠可能な状態の回復を優先する時は、排卵誘発剤が用いられます。hCG-hMG注射も使用されます。厚くなった卵巣の皮に切れ目を入れる手術を行うこともあります。
 月経の正常化には、周期的女性ホルモン補充療法(カウフマン療法)が行われます。インスリン抵抗性改善作用をもつ糖尿病薬であるメトホルミン塩酸塩(グリコラン)やピオグリタゾン塩酸塩(アクトス)などが有効なこともあります。

(C)法研