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医療大全

前立腺がん

 前立腺がんは男性特有のがんで、60歳~70歳を超える高齢者に多い。年間の死者数は9500人と泌尿器のがんの中では最も多い。基本的に進行のゆっくりしたがんで、早期であればよく治る。前立腺を切除する手術、がんを放射線で焼く放射線治療、男性ホルモンを薬で抑えるホルモン療法が、治療の3本柱だ。体への負担を考え様子を見ることもある。

前立腺がん

ぜんりつせんがん

【初診に適した診療科】
泌尿器科
【どんな病気か】
前立腺は膀胱の下部にあり、クルミ大(約15g)の臓器で、男性生殖器官のひとつです。
 前立腺がんは高齢者のがんであるといえます。45歳以下ではまれですが、50歳以後その頻度は増え、70代では10万人あたり約200人、80歳以上では300人以上になります。
【症状の現れ方】
前立腺がんは前立腺の外腺の腺上皮から発生する率が高く、初期にはほとんど症状がありません。がんが大きくなって尿道が圧迫されると、尿が出にくい、尿の回数が多い、排尿後に尿が残った感じがする、夜間の尿の回数が多いなど、前立腺肥大症と同じ症状が現れます。
 がんが尿道または膀胱に広がると、排尿の時の痛み、尿もれや肉眼でわかる血尿が認められ、さらに大きくなると尿が出なくなります(尿閉)。精嚢腺(せいのうせん)に広がると、精液が赤くなることがあります。
【治療の方法】
前立腺がんは早期発見例が増加したことと、内分泌療法が有効なため、他のがんと比べると治療成績と予後は比較的よいがんといえます。
 がんの組織診断では、悪性度(高分化→中分化→低分化へと悪化)と、進展度(限局がん→局所浸潤がん→進行がんへと進展)を調べます。
a.高分化がん
 限局がんの場合は前立腺全摘出術(全摘)、小線源療法(放射線療法)が第一選択ですが、内分泌療法も有効なので、どれを選択しても生命予後には影響しません。
b.中分化がん
 限局がんの場合は、全摘あるいは小線源療法、外照射療法(放射線療法)が第一選択です。内分泌療法をまず行い、再度生検で効果を確認したあとで治療法を選択することも可能です。局所浸潤がんの場合は、内分泌療法後に放射線療法を行うのが一般的です。進行がんの場合は内分泌療法が第一選択です。
c.低分化がん
 限局がんの場合は全摘が絶対的適応です。局所浸潤がんでは内分泌療法と抗がん薬療法を行い、さらに放射線療法を併用します。進行がんでは、内分泌療法、放射線療法、抗がん薬療法を併用します。なお75歳以上の高齢者では、前立腺の全摘の代わりに放射線療法を選択するのが一般的です。

(C)法研

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