文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

医療大全

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症

こうじょうせんきのうていかしょう
Hypothyroidism

【初診に適した診療科】
内科
【どんな病気か】
甲状腺ホルモンの分泌が低下して活動性が低下する病気です。圧倒的に女性に多く(男女比は1対10以上)、40歳以後の女性では軽症なものも含めると全体の5%にみられます。成人に起こり、症状がはっきり出ているものは粘液水腫(ねんえきすいしゅ)、小児にみられる先天性のものはクレチン病とも呼ばれます。
【原因は何か】
原因により、甲状腺自体が損われて起こる原発性機能低下症と、甲状腺をコントロールしている甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌が低下するために起こる続発性機能低下症、そして極めてまれな甲状腺ホルモン不応症とに分かれます。
 原発性機能低下症の原因として、圧倒的に多いのは橋本病(はしもとびょう:慢性甲状腺炎)です。ただし、甲状腺は予備能力が非常に高い臓器で、正常な細胞が10分の1残っていればホルモンの分泌は低下しないので、橋本病でも多くの場合は甲状腺腫があるだけで、甲状腺機能低下症の症状は出ません。
【症状の現れ方】
甲状腺ホルモンは、全身の代謝を維持するのに重要なホルモンです。このホルモンが低下すると活動性が鈍くなり、昼夜を問わず眠く、全身の倦怠感が強く、記憶力や計算力の低下がみられます。また、体温が低くなり、皮膚が乾燥して、夏でも汗をかかなくなります。顔はむくみやすくなり、脱毛が起こり、カツラが必要になることもあります。声が低音化してしわがれるのも特徴です。体重は増え、便秘になり、無月経になることもよくあります。
 甲状腺は多くの場合はれていますが、萎縮性(いしゅくせい)甲状腺炎といってまったく甲状腺のはれがなく、高度の甲状腺機能低下症になることもあります。
 顔や手足がむくみやすくなるのは、ムコ多糖類という物質が皮下にたまるからで、そのために押してもへこまない浮腫(むくみ)が起こり、粘液水腫といわれる理由になっています。また、眉毛の外側3分の1が抜けるのが特徴です。
【治療の方法】
甲状腺機能低下症の治療は簡単で、どのような原因でも甲状腺ホルモンの投与を行います。甲状腺ホルモンと甲状腺刺激ホルモンを測定して、正常域に入ればあとはその量を長期に服用するだけで、薬の副作用が起こることはありません。

(C)法研

「甲状腺機能低下症」に関連する記事

シリーズ

医療相談室で見る

「甲状腺機能低下症」に関連する相談を見る