文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

医療大全

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

こうじょうせんきのうこうしんしょう(バセドウびょう)
Hyperthyroidism (Graves' disease)

【初診に適した診療科】
内科
【どんな病気か】
甲状腺から甲状腺ホルモンが多量に分泌され、全身の代謝が高まる病気です。バセドウ病以外にも無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、機能性甲状腺腫(プラマー病)でも甲状腺ホルモンが過剰になります。ここではバセドウ病に限って話を進めます。
 バセドウ病は女性では100人に1人の頻度でみられる病気で、決してまれではありません。
【原因は何か】
血液中にTSHレセプター抗体(TRAb)ができることが原因です。この抗体は甲状腺の機能を調節している甲状腺刺激ホルモン(TSH)の情報の受け手であるTSHレセプターに対する抗体です。これが甲状腺を無制限に刺激するので、甲状腺ホルモンが過剰につくられます。
【症状の現れ方】
甲状腺ホルモンが過剰になると全身の代謝が亢進するので、食欲が出てよく食べるのに体重が減り(高齢になると体重減少だけ)、暑がりになり、全身に汗をかくようになります。精神的には興奮して活発になるわりにまとまりがなく、疲れやすくなり、動悸を1日中感じるようになります。手が震えて字が書きにくくなり、ひどくなると足や全身が震えるようになります。イライラして怒りっぽくなり、排便の回数が増えます。大きさに違いはありますが、ほとんどの症例で軟らかいびまん性の甲状腺腫が認められます。 バセドウ病では眼球が突出するとよくいわれますが、実際には5人に1人くらいです。
【治療の方法】
抗甲状腺薬治療、手術、アイソトープ治療の3種類があり、通常は抗甲状腺薬治療をまず行います。抗甲状腺薬(チアマゾール、プロピルチオウラシル)は甲状腺ホルモンの合成を抑える薬です。服用後4週間くらいで甲状腺ホルモンが下がり始め、2カ月もすると正常になって、自覚症状はなくなり、完全に治ったようになります。しかし原因のTRAbが消えるのは2~3年後なので、TRAbが陽性の間は抗甲状腺薬をのみ続ける必要があります。抗甲状腺薬は妊娠中でも医師の指示のもと服用することができます。
 いつまでもTRAbが陰性にならない時は、甲状腺を一部残して切除する甲状腺亜全摘(あぜんてき)出術をするか、放射性ヨードを投与して甲状腺を壊すアイソトープ治療をすることになります。

(C)法研

「甲状腺機能亢進症(バセドウ病)」に関連する記事

シリーズ

医療相談室で見る

「甲状腺機能亢進症(バセドウ病)」に関連する相談を見る