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医療大全

肝硬変

肝硬変

かんこうへん
Liver cirrhosis

【初診に適した診療科】
内科、消化器科
【どんな病気か】
肝硬変は、種々の原因によって生じた慢性肝炎が治癒しないで、長い経過をたどったあとの終末像です。肝臓が小さく、かつ硬くなる病気です。 肝硬変の3大死亡原因は、肝がん、肝不全、食道静脈瘤(りゅう)の破裂に伴う消化管出血で、最近は肝がんの占める割合が70%と高くなっています。肝がんの背景病変をみると、その80%に肝硬変が認められ、一部が進んだ慢性肝炎です。したがって、進んだ慢性肝炎と肝硬変は前がん病変であり、肝がんの超高危険群といえます。
【原因は何か】
ウイルス性、アルコール性、自己免疫性、薬剤・毒物性、胆汁うっ滞性、うっ血性、栄養・代謝障害性、感染症(寄生虫を含む)など多岐にわたります。日本では肝炎ウイルス(C型、B型)によるものが最も多く半数以上を占め、次いでアルコール性です。ウイルス性肝硬変では、C型肝炎ウイルス(HCV)によるものが大半を占めています。
【症状の現れ方】
肝硬変は、肝不全症状の有無から代償性肝硬変と非代償性肝硬変とに分けられます。
 代償性肝硬変では自覚症状をほとんど訴えないことが多く、あっても軽微です。非代償性肝硬変になると全身倦怠感、脱力感、易(い)疲労感、尿の色が濃く染まる、腹部膨満感、吐き気、嘔吐、腹痛など、消化器症状を主とする全身症状を訴えることが多くなります。さらに重症になると、黄疸、腹水、吐血、肝性昏睡など、続発症・合併症に伴う症状が現れるようになります。また、肝硬変の皮膚所見としては、黄疸のほかに、くも状血管腫、女性化乳房、手掌紅斑、皮膚の色素沈着、出血傾向、皮下出血、太鼓ばち状指、白色爪などが認められることが多くなり、診断上役に立ちます。
【治療の方法】
治療は、代償性か非代償性かによって異なりますが、現在の病態をさらに悪化させることなく生活の質(QOL)と日常生活動作(ADL)を維持、改善させ、予測される合併症に早期に対応していくことが重要です。肝硬変そのものに対する治療薬はなく、肝障害の重症度に応じて多種多様な薬剤が使われます。 2004年に肝移植対象疾患の保険適応が拡大されたことにより、B型およびC型肝硬変や肝がんに対する肝移植が増加しています。その大部分は生体部分肝移植であり、脳死移植は極めて少ないのが実情です。

(C)法研

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