文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

病院の実力

検索条件

病名・テーマ 肩の痛み
地域 未選択
病院名 未入力

該当病院245か所

肩の痛み 長引けば手術検討

 人工関節腱板断裂には「リバース型」肩の痛みに苦しむ中高年は多い。肩こりと思って我慢をしていたら、別の病気が原因で、手術が必要になるほど悪化することもある。読売新聞は、2022年3月~4月、日本肩関節学会の会員医…

人工関節 腱板断裂には「リバース型」

肩の痛み 長引けば手術検討

 肩の痛みに苦しむ中高年は多い。肩こりと思って我慢をしていたら、別の病気が原因で、手術が必要になるほど悪化することもある。

 読売新聞は、2022年3月~4月、日本肩関節学会の会員医師が所属する993施設に21年の治療実績などを尋ねた。

 調査対象は、代表的な病気に絞った。「肩 腱板けんばん 断裂」「胸郭出口症候群」「反復性肩関節脱臼」「肩関節周囲炎(五十肩)」「変形性肩関節症」の五つだ。

 肩の関節は、肩甲骨の浅いくぼみ「関節 」で上腕骨を受け止める構造だ。周囲の筋肉「腱板」や 靱帯じんたい などの支えで滑らかに動く。

 回答施設の新規患者総数計11万8000人の内訳は、「五十肩」54%、「肩腱板断裂」30%、「変形性肩関節症」10%の順だった。

 五十肩は女性に多い。肩関節の周囲に炎症が起こる。多くは自然に治るが、発症から回復までの期間は、半年から数年と差がみられる。

 肩腱板断裂は、男性にやや多い。腕を上げる時に力が入りにくいのが特徴だ。

 いずれの病気も、まずは保存療法を行う。安静や薬で痛みを抑えた後、肩のストレッチや筋肉を鍛える運動療法を行う。その上で、夜も眠れない痛みが続くなど生活に支障がある場合は、手術を検討する。

 変形性肩関節症は、関節の軟骨がすり減った状態で、使いすぎやけが、肩腱板断裂などが原因となる。進行した場合は、傷んだ関節を人工関節に置き換える手術が選択肢となる。

 従来の人工関節は、肩腱板の断裂がひどい患者には使えなかった。この問題を解決したのが、14年4月に公的医療保険が適用された「リバース(反転)型」だ。本来の関節とは逆の形になっており、腱板がなくても、上腕の筋肉「三角筋」などの力で腕を上げることが出来る。適用には、65歳以上など一定の条件がある。今回の調査では、人工関節手術件数の8割を占めた。

 肩の病気の診療では、手術が必要な患者を中心に対応する医療機関もある。受診の前に、保存療法の実施状況を確かめておきたい。

 エックス線の画像だけでは、五十肩か肩腱板断裂かの区別は難しい。心臓や肺の病気が、肩の痛みを招くこともある。

 日本肩関節学会理事長で東邦大教授の池上博泰さんは「正しい診断には、肩の視診や触診で筋肉や関節の状態を確かめることが欠かせません。なかなか治らない場合は、肩を専門とする整形外科医を受診してください」と話している。(久保晶子)


データの見方(2021年の治療実績、人員などの体制は2022年3月現在)
【患者数(人)】
肩の五つの病気の新規患者の合計数と、病気ごとの患者数を示した。五つの病気は以下の通り。

肩腱板断裂:主に40歳以上の中高年男性が発症しやすい。肩の上げ下げで使う「腱板」が切れたり裂けたりする。激しい痛みが起こり、腕が上げられなくなる。

胸郭出口症候群:肩を上げる動作で、しびれや痛みが起こる。

反復性肩関節脱臼:柔道やラグビーなどスポーツ中の衝突による肩関節の脱臼がきっかけになる。脱臼が度重なることで、日常のちょっとした動作で脱臼しやすくなる。

肩関節周囲炎(五十肩):女性に多い。着替えや洗顔など日常の動作に支障が出るほどの痛みが起こる「急性期」、痛みは減少するものの、肩関節の可動域が制限される「拘縮期」、少しずつ動かしやすくなる「回復期」へと進むことが多い。

変形性肩関節症:加齢や肩腱板断裂の進行などに伴い、肩の軟骨がすり減る。痛みがひどく、改善が見られない場合などには傷んだ関節を人工関節に置き換える手術も検討する。

【手術数(件)】
肩の五つの病気の手術の合計数と、術式や病気ごとの内訳を示した。
主な内訳は下記の通り。

手術のうち鏡視下手術:先端にカメラのついた器具「関節鏡」を使った手術。傷が数ミリ程度で、手術後の痛みも抑えられるなどのメリットがある。普及しているが、腱板の断裂がひどく縫合が難しい場合などは、適用が難しい。病気ごとの鏡視下手術件数も示した。

手術のうち人工関節全置換術:変形性肩関節症患者に行う。肩の動きの改善などが期待できる。一方、手術後に合併症が起こるリスクもある。今回の調査では、人工骨頭置換術も対象に含めた。

人工関節全置換術のうちリバース型:リバース(反転)型の人工関節手術。腱板が切れて使えなくても、上腕の三角筋の力を利用することで腕を上げられる。

【人員などの体制】
常勤の理学療法士(人):2022年3月現在の人数

常勤の作業療法士(人):2022年3月現在の人数

理学療法士らによる保存療法:実施機関は〇。理学療法士や作業療法士らリハビリ専門職の指導で行う運動療法などの積極的な保存療法を実施している場合は○。手術後のリハビリは除いた。

つづきを読む

肩の病気

病院名
都道府県
市区町村
新規患者総数
肩腱板断裂(患者数・人)
胸郭出口症候群(患者数・人)
反復性肩関節脱臼(患者数・人)
肩関節周囲炎(五十肩)(患者数・人)
変形性肩関節症(患者数・人)
手術総件数
肩腱板断裂(手術・件)
胸郭出口症候群(手術・件)
反復性肩関節脱臼(手術・件)
肩関節周囲炎(五十肩)(手術・件)
変形性肩関節症(手術・件)
うち鏡視下手術計
肩腱板断裂(鏡視下手術・件)
胸郭出口症候群(鏡視下手術・件)
反復性肩関節脱臼(鏡視下手術・件)
肩関節周囲炎(五十肩)(鏡視下手術・件)
変形性肩関節症(鏡視下手術・件)
人工関節全置換術(件)
うちリバース型(件)
常勤・理学療法士(人)
常勤・作業療法士(人)
理学療法士らによる保存療法の実施状況(実施=〇)
ながさわ整形外科 北海道 函館市 2370 1000 50 20 1200 100 245※ 200 0 10 5 30 215 200 0 10 5 0 30 25 11 0
整形外科北新病院 北海道 札幌市東区 2272 928 30 28 1221 65 227 197 0 17 0 13 152 137 0 15 0 0 18 6 26 0

この記事は読者会員限定です。

読売新聞の購読者は、読者会員登録(無料)をしていただくと閲覧できます。
読売新聞販売店から届いた招待状をご用意ください。

一般会員向け有料サービスは2020年1月31日をもって終了いたしました。このため、一般会員向け有料登録の受け付けを停止しております。

「全体を見る」でアンケート結果を見る時、「データの見方」が付いていない場合があります。「病名・テーマ」の検索結果ページの解説記事をご参照ください。

医療大全で見る

医療大全では、病気のほか、検診・治療・付き合い方など、項目ごとに整理された記事を読むことができます。

医療大全で「肩の痛み」を見る

医療相談室で見る

「肩の痛み」に関連する相談を見る