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該当病院516か所

胃がん 増える腹腔鏡手術…年に1回 内視鏡検査を

 2020年に胃がんと診断される人は13万5100人に上ると予測されている。がんの部位別に見ると、大腸がんに次いで2番目に多い。男性が、患者の約7割を占める。読売新聞は6~8月、がん診療連携拠点病院など1417施設に1…

 2020年に胃がんと診断される人は13万5100人に上ると予測されている。がんの部位別に見ると、大腸がんに次いで2番目に多い。男性が、患者の約7割を占める。

 読売新聞は6~8月、がん診療連携拠点病院など1417施設に19年の治療実績を調査した。

 一覧表には、手術合計(全摘および幽門側、幽門保存、噴門側の切除の合計)、腹腔(ふくくう)鏡手術、手術中に採取した組織を病理医が調べる「迅速病理診断」、内視鏡的粘膜下層剥離(はくり))術(ESD)――などの件数を示した。

 胃がんの治療は、手術、ESDなどの内視鏡治療、薬物療法が柱だ。

 手術は、胃から離れた臓器への転移がない場合の主な選択肢。切除する範囲は、がんのできた位置や転移の状態などによって変わる。

 胃を全部切り取る全摘手術は、術後の食事制限に伴う体重減などの影響が大きい。このため、近年は、胃の上部や下部などに切除範囲を限定し、胃を部分的に残す手術が増えている。

 手術の手法では、おなかを切り開く開腹手術に対し、傷口が小さい腹腔鏡手術の割合が高まっている。今回の調査では、手術全体の6割を占めた。

 この手術は、腹部に小さな穴を数か所開け、カメラや切除器具を入れて行う。18年から保険適用となった手術支援ロボットを用いて腹腔鏡手術を行う病院も出てきている。医師には高度な技術が求められる。

 手術では、確実にがんを取り切るために、胃の周囲のリンパ節も取り除くのが標準的だ。切除範囲を確定するために、手術中に組織を採取し、がんの広がりを確認する迅速病理診断を行う施設も多い。後日、追加手術を行うリスクを下げることができる。

 ESDなどの内視鏡治療は、がんが胃の内側の粘膜にとどまり、リンパ節に転移している可能性が極めて低い、ごく早期が対象だ。口から入れた小型カメラで胃の内部を確認しながら、先端の電気メスで、がんや周辺の組織をはぎ取る。胃の形状が保たれるので、手術に比べ、身体への負担も少なくて済む。ただし、治療後の病理検査の結果で、追加手術が必要になることもある。

 胃がんは、よほど進行しない限り、特定の自覚症状はなく、胃の不快感などは胃潰瘍、胃炎などと区別がつきにくい。

 がん研有明病院・胃外科部長の布部創也さんは「新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、受診を控える高齢者もいるが、胃がんは比較的進行が速いので、早期発見が大切だ。できれば年に1回、内視鏡検査を受けてほしい」と呼びかけている。(久保晶子)


【データの見方】(2019年の治療実績)

手術:がんが胃から離れた臓器に転移していない場合には、手術が主な選択肢となる。手術の方法としては、おなかを大きく切り開く「開腹手術」のほかに、おなかに複数の小さな穴を開けて行う「腹腔鏡手術」がある。切除する範囲は、がんができた位置や広がりなどによって、大きく4種類に分かれる。

全摘手術:がんが胃全体に広がっていたり、周囲のリンパ節に転移していたりする場合、胃の入り口(噴門)と胃の出口(幽門)も含めて、胃全体を切除する。切除後は、胃の代わりとなる食べ物の通り道として、食道と腸をつなぎ合わせる「再建術」が行われる。

幽門側胃切除術:がんが胃の中部から下部にあり、噴門と十分に離れている場合に行われる。胃の上部約3分の1を残して切除する。

幽門保存胃切除術:がんが胃の中ほどにあり、幽門から離れている場合に検討される方法。胃の上部約3分の1と幽門を残して切除する。

噴門側胃切除術:がんが胃の上部にあり、噴門を残す余裕がない場合に検討される方法。噴門を含め、胃の上部約3分の1を切除する。

腹腔鏡手術:おなかに複数の小さな穴を開けて、小型カメラと特殊な器具を挿入して行う手術。開腹手術と同じように胃やリンパ節を切除できる。ロボット手術の件数は別枠を設け、腹腔鏡手術の欄では除いた。

ロボット手術:腹腔鏡手術を手術支援ロボットで行う方法で、2018年4月に保険適用になった。手ぶれ防止機能などで従来の腹腔鏡手術よりも繊細な動作ができるメリットがある一方、特殊な技術が必要とされる。

手術中の迅速病理診断:手術中に採取した組織を病理医が素早く検査し、腫瘍のひろがりやリンパ節への転移の有無などについて診断。手術中の医師に伝えることで、より適切な切除範囲を決める。再手術のリスクを下げることなどが期待できる。

クリニカルパス:手術に際して、入院から退院、術前から術後まで、どのような日程、工程で行うかの治療計画表「クリニカルパス」を設定している。医師や看護師と患者や家族が計画を共有することで、よりスムーズに治療に臨むことができる。手術方式などによって複数のクリニカルパスを持つ医療機関もある。

内視鏡治療:がんが胃の粘膜内にとどまり、リンパ節への転移の可能性が極めて低いごく早期の場合には、内視鏡を使って、胃の内側からがんを切り取る。ループ状にしたワイヤーにかけてがんを切り取る「粘膜切除術(EMR)」と、電気メスで切り取る「粘膜下層剥離術(ESD)」がある。ESDは、EMRよりも広い範囲を切除できる。

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胃がん

病院名
都道府県
市区町村
手術合計(件)
うち開腹手術計(件)
うち開腹手術全摘
うち開腹手術幽門側
うち開腹手術幽門保存
うち開腹手術噴門側
うち腹腔鏡計(件)
うち腹腔鏡全摘
うち腹腔鏡幽門側
うち腹腔鏡幽門保存
うち腹腔鏡噴門側
うちロボット計
うちロボット全摘
うちロボット幽門側
うちロボット幽門保存
うちロボット噴門側
迅速病理診断(件)
クリニカルパス(日)
内視鏡的粘膜切除術(EMR)(件)
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)(件)
恵佑会札幌病院 北海道 札幌市白石区 199 127 45 56 0 26 30 1 29 0 0 42 2 40 0 0 11 14 0 140※
斗南病院 北海道 札幌市中央区 90 21 15 6 0 0 64 14 45 0 5 5 0 5 0 0 5 14 1 180

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