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病名・テーマ 肺がん
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肺がん区域切除 高度な技術

 日本人のがんの中で、最も死者数が多い肺がん。2018年には約7万4000人が亡くなった。読売新聞は20年4~6月、がん診療連携拠点病院など1462施設に19年の治療実績などをアンケートした。一覧表には、全手術件数のほ…

 日本人のがんの中で、最も死者数が多い肺がん。2018年には約7万4000人が亡くなった。読売新聞は20年4~6月、がん診療連携拠点病院など1462施設に19年の治療実績などをアンケートした。

一覧表には、全手術件数のほか、肺の切除範囲を縮小した区域切除の件数、根治を目指した放射線治療、分子標的薬などの薬物療法を受けた患者数なども掲載した。

 肺は胸の左右にあり、右は上葉、中葉、下葉の三つに、左は上葉、下葉の二つに分かれる。

 治療は、がんの大きさや肺の周囲のリンパ節などに転移している可能性を探りながら、手術や放射線治療、薬物療法を選択する。複数の治療法を組み合わせることもある。

 手術は通常、がんがある肺葉ごと切除する。ごく早期でがんが小さい時は、区域切除が行われることもある。左右の肺葉を18か所に分け、がんのある区域のみ切除する。肺葉切除よりも肺の機能を温存できる可能性が高まる。

肺がん区域切除 高度な技術

 ただ、区域内には細かい血管が集中しており、安全に切除するには高い技術が必要だ。再発や転移のリスクもあり、肺葉切除との安全性や有効性を比較する臨床研究が進められている。

 高齢や持病などで手術が難しい患者には、放射線を一定期間当てる治療も選択肢となる。早期の場合、根治も期待できる。がんを多方向から狙い撃つ「定位照射」が効果を上げている。

 がんが進行して骨、脳などに転移すると、手術で取り切ることは難しく、薬物療法が中心となる。

 抗がん剤は正常細胞も破壊するため、嘔吐おうとや全身のだるさ、脱毛などの副作用もある。開発が進む分子標的薬は、がん細胞の遺伝子変異に着目し、異常なたんぱく質の増殖を止める作用があり、がんの進行を抑える効果が期待できる。

 免疫治療薬は、がん細胞が免疫から逃れられないようにする働きがある。免疫細胞の攻撃を回避しようとするがん細胞の仕組みを機能させず、誰もが備えている免役本来の力を発揮できるようにする。

 抗がん剤と分子標的薬や免疫治療薬を併用し、より高い治療効果を上げた例も報告されている。ただ、すべての患者に有効とは限らない。また、抗がん剤では見られない副作用が起こることもある。

 順天堂大病院呼吸器外科教授の鈴木健司さんは「区域切除は身体的な負担を軽減できるが、がんをしっかり取り切れるかどうかが最も重要だ。手術後の生活の質や再発リスクについて主治医と相談し、納得のいく治療を受けてほしい」と話す。(野村昌玄)


「肺がん」データの見方(2019年の治療実績)

手術:がんの大きさなどで切除範囲を決める。肺は左右で五つの肺葉に分かれる。がんのある肺葉を切除するのが肺葉切除。肺葉を18の区域に分け、がんのある区域のみ切除する区域切除は、肺機能の温存を目指す縮小手術の一つ。ただし、がんがごく早期で小さい場合に限られる。

放射線治療(根治的照射):高齢や持病などで手術が難しい患者が対象。定位照射は「ピンポイント照射」とも呼ばれ、様々な方向から放射線でがんを狙い撃ちする。数ミリ以内の精度で正確に照射し、正常組織へのダメージ軽減を図る。

薬物療法:肺以外の臓器や骨などに転移すると、手術や放射線治療で根治させるのは難しく、薬物療法が主体となる。通常の抗がん剤に加え、がん細胞の異常なたんぱく質に着目して増殖を抑える分子標的薬、免疫本来の力によってがん細胞を攻撃させる免疫治療薬がある。これらの薬を併用して治療効果を高めることも期待できる。

肺がん手術を執刀する常勤医師、放射線治療を担当する常勤医師、薬物療法担当の常勤医師(内科医):肺がん治療の柱となる手術、放射線治療、薬物療法を行う常勤の医師数。医療体制の充実ぶりを示す目安となる。

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肺がん

病院名
都道府県
市区町村
肺がん手術件数(件)
うち肺葉切除(件)
うち区域切除(件)
放射線治療(根治的照射)(人)
うち定位照射(人)
薬物療法(人)
うち分子標的治療薬(人)
うち免疫チェックポイント阻害薬(人)
肺がん手術執刀の常勤医師(人)
常勤の放射線治療担当医師(人)
常勤の薬物療法担当の内科医(人)
札幌医科大学附属病院 北海道 札幌市中央区 158 116 26 40 7 42 9 16 5 8 20
国立病院機構 北海道がんセンター 北海道 札幌市白石区 152 68 32 84 27 123 51 85 3 4 6

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