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病名・テーマ がん放射線治療
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がん放射線治療 照射方法進歩

 手術よりも有効な場合もがんの放射線治療は、臓器を残し、機能の維持が期待できる方法だ。手術、薬物療法と共に、がんの3大治療の一つだ。体外からあてる「外部照射」と体内に放射線を出す物質を入れる「内部照射」がある。近年…

手術よりも有効な場合も

がん放射線治療 照射方法進歩

 がんの放射線治療は、臓器を残し、機能の維持が期待できる方法だ。手術、薬物療法と共に、がんの3大治療の一つだ。

 体外からあてる「外部照射」と体内に放射線を出す物質を入れる「内部照射」がある。近年、様々な照射方法が登場し、適用となるがんが広がっている。単独治療のほか、手術や抗がん剤治療と組み合わせることも少なくない。

 読売新聞は、2021年11月~22年1月、がん診療連携拠点病院、日本放射線腫瘍学会などが認定する放射線治療専門医が所属する726施設に20年の治療実績を調査した。

 強度変調放射線治療と定位放射線治療は、複数の方向から放射線をあてる外部照射だ。正常な組織への放射線量を抑えられる。

 強度変調放射線治療は、コンピューターで、照射の範囲や量をきめ細かに調整する。「IMRT」と呼ばれ、前立腺や 頭頸とうけい 部など多くのがん治療で使われる。

 定位放射線治療は、正常組織との境界が明確で、小さい病巣に適用される。肺がんや脳腫瘍などが対象だ。複数回の照射が多いが、1回で済むケースもある。

 内部照射は、放射線を出す物質を含むカプセルや針など「密封小線源」を体内に入れる治療と、経口薬(飲み薬)や注射を使う「内用療法」がある。密封小線源の治療は、前立腺がんなどでは、病巣に挿入する「組織内照射」を行う。子宮頸がんなどは空いたスペースに入れる「 腔内くうない 照射」になる。

 内用療法は、甲状腺がんや、前立腺がんの骨転移治療などが対象となる。専用の病室が欠かせない。

 粒子線治療は、体の奥のがんを狙い撃ちできる。16年に公的医療保険が適用され、22年4月から対象が広がった。一部の治療は先進医療として行われている。大型施設が必要で、実施する医療機関は限られる。

 近年、前立腺がんや乳がん、骨転移のがんなどでは、1回の放射線量を増やして、照射回数を減らす「寡分割照射」という方法が広がっている。照射技術の向上により、放射線量を増やしても、安全性や有効性が保たれるようになったからだ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、通院回数を減らす点が注目され、導入施設がさらに増えた。今回の調査では、14%の施設が、20年2月以降に新たに取り入れていた。従前からの実施ケースも含めると4分の3の施設で行われていた。

 治療効果を高め、副作用を減らすには、照射する方法や範囲などを適切に決めることがカギになる。専門医や医学物理士を中心としたチームで事前に計画を立てて進める。

 日本放射線腫瘍学会理事長で慶応大教授の茂松直之さんは、「直径3センチ以下のがんの多くが、放射線治療の対象となり、手術よりも有効な場合もあります。がんと診断された時には、主治医に放射線治療の選択肢があるかどうかを確かめるとよいでしょう」と話している。(久保晶子)


データの見方(2020年の治療実績。単位はすべて人)

外部照射:強度変調放射線治療(IMRT) 腫瘍の凹凸などの形状に応じて、放射線の強度をきめ細やかに調整し、がん組織には高い放射線量を、隣接する正常な組織には低い放射線量となるよう最適な設定を行い照射する。特に複雑な形状の腫瘍や重要な臓器と隣り合っている場合などに適用される。

外部照射:定位放射線治療 多方向から病巣に集中して照射することで、腫瘍部分に高い放射線量をあてる。複数回照射する方法(SRT)と1回で照射する定位手術的照射(SRS)がある。腫瘍が限局性で比較的小さいこと、また、その周辺の正常組織との境界が明確であることなどが条件となる。

内部照射 放射線を出す物質を体内に取り込み、腫瘍に照射する方法で、「密封小線源治療・組織内照射」と「同・腔内照射」、および「内用療法」の3種類がある。

〔密封小線源・組織内照射〕 カプセル、ワイヤー、針などに密封された小線源を、病巣に刺し入れて照射する。舌がんなどは数日間、前立腺がんは永久挿入などの方法がある。

〔密封小線源・腔内照射〕 密封小線源を病巣近くの空間に留め置いて照射する。子宮頸がんなどで行われている。

〔内用療法〕 体内に取り込んだ非密封放射性同位元素が腫瘍部分に集まる性質を利用した治療方法。経口薬、静脈注射の形で体内に取り込む。甲状腺がん、前立腺がんの骨転移、悪性リンパ腫などが対象となる。

各がんに対する主な放射線治療 頭頸部がん(IMRT、定位放射線治療)、食道がん(IMRT)、肺がん(IMRT、定位放射線治療)、乳がん(IMRT、定位放射線治療)、直腸がん(IMRT、定位放射線治療)、子宮頸がん(IMRT、密封小線源)、前立腺がん(IMRT、定位放射線治療、密封小線源)の治療人数を示した。

放射線治療専門医(常勤)の人数 2021年12月1日現在 がんに関する放射線治療の専門医で、日本放射線腫瘍学会、日本医学放射線学会が共同認定する。根治を目指す放射線単独照射、手術前後に薬物治療を組み合わせる放射線化学療法のほか、転移による痛みなどに対する緩和照射など幅広く対応する。医学物理士などとともに照射の範囲、放射線量、照射方法など、適切な治療計画を策定し、実施する。

医学物理士(常勤)の人数 2021年12月1日現在 IMRT、定位放射線治療などは専用コンピューターを用いて高精度の放射線治療計画を策定する。医学物理士は、医師が立案した計画をコンピューターで安全性をチェックして線量を測定、複雑な治療計画の具体案を策定する。医学物理士認定機構が認定試験を実施している。

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がん放射線治療

病院名
都道府県
市区町村
外部照射:強度変調放射線治療(IMRT)
外部照射:定位放射線治療
内部照射:密封小線源・組織内照射
内部照射:密封小線源・腔内照射
内部照射:内用療法
頭頸部がん/IMRT
頭頸部がん/定位放射線治療
食道がん/IMRT
肺がん/IMRT
肺がん/定位放射線治療
乳がん/IMRT
乳がん/定位放射線治療
直腸がん/IMRT
直腸がん/定位放射線治療
子宮頸がん/IMRT
子宮頸がん/密封小線源
前立腺がん/IMRT
前立腺がん/定位放射線治療
前立腺がん/密封小線源
放射線治療専門医(常勤)2021年12月1日現在
医学物理士(常勤)2012年12月1日現在
札幌医科大学附属病院 北海道 札幌市中央区 296 38 24 32 68 88 0 8 109 21 11 0 7 0 25 32 50 0 24 5 2
北海道大学病院 北海道 札幌市北区 204 56 0 29 0 95 0 0 8 46 1 0 0 0 3 29 13 0 0 10 6

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