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病名・テーマ 婦人科がん
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婦人科がん 30~40代も多い…妊娠の可能性残す治療法検討も

 婦人科が診療の中心となる「子宮頸(けい)がん」「子宮体がん」「卵巣がん」は、30~40歳代の若い世代から増え始める。年間約4万人がいずれかのがんになり、約1万人が亡くなる。読売新聞は今年1~2月、日本婦人科腫瘍学会の…

 婦人科が診療の中心となる「子宮けいがん」「子宮体がん」「卵巣がん」は、30~40歳代の若い世代から増え始める。年間約4万人がいずれかのがんになり、約1万人が亡くなる。

 読売新聞は今年1~2月、日本婦人科腫瘍学会の専門医がいる施設とがん診療連携拠点病院の計689医療機関に、2019年1~12月の治療実績をアンケートした。

 いずれのがんも早期なら、基本的に手術を行う。

 子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮頸部)にできるがん。ヒトパピローマウイルスの感染が主な原因だ。多くは免疫でウイルスが排除されるが、一部で感染が続き、細胞が異常な形になる前がん病変になる。さらに進行すると、がんになる。

 子宮頸がんの手術では、基本的に子宮をすべて切除する。ごく早期なら子宮頸部の部分的な切除にとどめる方法もある。手術せずに放射線療法を行う場合、卵巣の機能は失われるが、排尿機能などの障害は比較的軽い。治療効果を上げるために放射線治療と抗がん剤治療を組み合わせた「同時化学放射線療法」を行う医療機関も増えてきた。

 子宮体がんは、子宮の内側を覆う膜で異常な細胞が増殖して起こる。不正出血で気づくケースが多い。

 手術で子宮と卵巣を摘出するのが標準的な治療だ。腹部に小さな穴を開け、そこからカメラと手術器具を入れて患部を切除する「腹腔ふくくう鏡手術」も選択肢になる。

 卵巣がんの手術は、基本的に卵巣と子宮を摘出し、抗がん剤治療を組み合わせることが多い。

 妊娠を希望する場合は、その可能性を残す治療法も検討する。子宮頸がんでは、子宮頸部を切除し、子宮体部とちつをつなぐ手術が行われる。子宮体がんでは、手術をせずにホルモン剤の投与で改善を試みる。卵巣がんでは、がんがない側の卵巣を切除せずに温存する。ただ、いずれも、ごく早期の場合などに限られる。

 産婦人科医で、がん研有明病院・健診センター検診部部長の宇津木久仁子さんは「子宮頸がんの早期発見には定期的な検診が有効。他の二つのがんは体の異常を感じたらすぐ受診してほしい。納得できる治療を受けるためには、セカンドオピニオンを活用するのも一つの手だ」と話している。(竹井陽平)


【データの見方】(2019年1~12月の治療実績、単位:セカンドオピニオン以外はすべて人)

子宮頸がん・浸潤がん:子宮頸部の表面組織からがんが子宮頸部全体に広がり、進行すると周辺の臓器にも及ぶ。手術で子宮を切除するのが治療の基本になる。早期発見には検診が重要になる。

子宮頸がんの腹腔鏡手術:腹部に小さい穴を開け、手術用具やカメラを入れて手術を行う。傷口が小さく、早期の体力回復が期待できる。2018年に保険適用された。

子宮頸がんの放射線療法・同時化学放射線療法:手術の代わりに患部周辺に放射線をあてる。効果を高めるために抗がん剤を同時に使うことがある。

子宮頸がんの広汎子宮頸部摘出術:子宮頸部を部分的に切除し、子宮と膣をつなぎ合わせる方法。子宮体部を温存でき、妊娠の可能性を残せる。


子宮体がん:子宮体部に発生するがん。子宮の内側を覆う膜で異常な細胞が増殖して起こる。子宮や卵巣を切除する手術が治療の基本となる。不正出血で気付くケースが多い。

子宮体がんの腹腔鏡手術:腹部に小さい穴を開け、手術用具やカメラを入れて手術を行う。傷口が小さく、術後の早期の体力回復が期待できる。2014年に保険適用された。

子宮体がんのロボット支援手術:ロボットを使って腹腔鏡手術を行う。3次元の画像を見ながら、メスなどを遠隔操作し、細かな動きも可能になる。2018年に保険適用された。

子宮体がんの黄体ホルモン療法:がん細胞をたたくホルモン剤を使う。子宮を温存し、妊娠の可能性を残せる。


卵巣がん:卵巣に発生するがん。発病に気づきにくく、他の臓器に広がってから見つけるケースも多い。治療では、手術に抗がん剤を加えることになる。早期は無症状で進行してから見つかるケースも少なくない。

卵巣がんの片側の卵巣切除:二つある卵巣のうち片方にはがんがない場合に、がんがある卵巣だけを切除する。妊娠の可能性を残せる。


子宮頸部高度異形成・上皮内がん:子宮頸部の表面組織に通常とは形態が異なる異常な細胞やがんがとどまっている。がんになる前の「前がん病変」と言われる。子宮頸部の一部を切除する円錐えんすい切除術を行うケースが多い。

子宮体がんのキイトルーダ治療:キイトルーダは免疫の力を引き出し、がんを攻撃する新しいタイプの治療薬「免疫チェックポイント阻害剤」の一つ。再発がんでほかの抗がん剤治療を行った後に症状が悪化し、特定の遺伝子の変異がある場合に投与する。

卵巣がんのリムパーザ治療:リムパーザはがん細胞を狙い撃ちする「分子標的薬」と呼ばれる新しいタイプの治療薬の一つ。「プラチナ系」と呼ばれる抗がん剤の治療を行って一定の効果が見られる場合に投与する。


セカンドオピニオン:治療法などについて、ほかの医師の意見を聞く方法もある。

リンパ浮腫複合的理学療法施設基準の取得:手術では、子宮や卵巣とともに周辺のリンパ節も切除することがあり、下腹部や脚に浮腫むくみが起きる。マッサージなどが有効。一定の経験がある医師や理学療法士らがいることを条件に施設基準を取得でき、治療料を算定できる。

常勤放射線治療専門医の在籍:放射線治療専門医が常勤で在籍している医療機関は子宮頸がんへの同時化学放射線療法などの実績を重ねていることが多い。放射線治療に力を入れているかどうかを示す目安になる。


遺伝性乳がん卵巣がん症候群に関する施設基準の届け出状況:乳がんや卵巣がんになりやすい遺伝子変異を持つ「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」と診断された患者らが、新たながんの発症を防ぐための対策が2020年に保険適用された。
関係する検査、治療についての施設基準の届け出状況(2020年12月時点)を尋ねた。(○:届け出済み、△:届け出予定、×:届け出予定なし、-:未回答)

BRCA1、2遺伝子検査:がんや卵巣がんになりやすい遺伝子変異があるかどうかを確かめる検査。

乳房MRI撮影:乳房にがんがあるかどうかを確かめる検査。

乳房切除術:がんになる可能性が高いことがわかった際に予防的に乳房を切除する治療。

子宮付属器腫瘍摘出術:がんになる可能性が高いことがわかった際に予防的に子宮や卵巣を切除する治療。

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婦人科がん

病院名
都道府県
市区町村
婦人科がん3種類の合計新規患者数
子宮頸がん・浸潤がんの新規患者数
子宮頸がん・浸潤がんの新規患者のうち腹腔鏡手術を受けた患者数
子宮頸がん・浸潤がんの新規患者のうち放射線療法・同時化学放射線療法を受けた患者数
子宮頸がん・浸潤がんの新規患者のうち広汎子宮頸部摘出術を受けた患者数
子宮体がんの新規患者数
子宮体がんの新規患者のうち腹腔鏡手術を受けた患者数
子宮体がんの新規患者のうちロボット支援手術を受けた患者数
子宮体がんの新規患者数のうち黄体ホルモン療法を受けた患者数
卵巣がんの新規患者数
卵巣がんの新規患者のうち片側の卵巣切除を受けた患者数
子宮頸部高度異形成・上皮内がんの患者数
子宮体がんでキイトルーダ治療を受けた患者数
卵巣がんでリムパーザ治療を受けた患者数
セカンドオピニオンを受けた件数
リンパ浮腫複合的理学療法の施設基準取得
常勤放射線治療専門医の在籍
遺伝性乳がん卵巣がん症候群に関するBRCA1,2遺伝子検査の施設基準届け出状況(2020年12月現在)
遺伝性乳がん卵巣がん症候群に関する乳房MRI撮影加算の施設基準届け出状況(2020年12月現在)
遺伝性乳がん卵巣がん症候群に関する乳房切除術の施設基準届け出状況(2020年12月現在)
遺伝性乳がん卵巣がん症候群に関する子宮附属器腫瘍摘出術の施設基準届け出状況(2020年12月現在)
札幌医科大学附属病院 北海道 札幌市中央区 162 57 8 9 5 67 28 14 1 38 4 50 2 5 12 × ×
手稲渓仁会病院 北海道 札幌市手稲区 80 14 4 2 0 35 11 0 0 31 1 77 0 7 0 × ×

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