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病名・テーマ 前立腺がん
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前立腺がん…高い10年生存率

 治療法により違う後遺症リスク前立腺は男性だけにあるクルミ大の臓器で、精液の一部を作っている。国立がん研究センターの最新の推計では、前立腺がんの新規患者数は年間約9万5000人で、男性のがんでは最も多い。ただ、10…

治療法により違う後遺症リスク

HDRの実績のある病院

 前立腺は男性だけにあるクルミ大の臓器で、精液の一部を作っている。国立がん研究センターの最新の推計では、前立腺がんの新規患者数は年間約9万5000人で、男性のがんでは最も多い。

 ただ、10年生存率は98・7%と全がんの中で最も高い。がんが前立腺内にとどまっている場合は手術でも放射線治療でもよく治るだけに、治療を検討する際は、排尿障害や性機能障害、直腸出血などの後遺症のリスクを理解しておきたい。

 読売新聞は8~9月、がん診療連携拠点病院や日本泌尿器科学会拠点教育施設など980施設に2020年の治療実績をアンケート調査した。

 手術は、前立腺と精のうを切除する全摘手術が一般的だ。下腹部に複数の小さな穴をあけ、内視鏡や手術器具を入れて行う腹腔ふくくう鏡手術が普及している。腹腔鏡手術の方が開腹手術より出血が少ないとされるが、手術では、性機能の障害や尿漏れなどの後遺症が出る可能性がある。

 放射線治療は、がん細胞に放射線を照射し、死滅させることを狙う。体の外から当てる外照射が一般的だ。直腸など周囲の正常組織に与える損傷を抑えるために、多方向からがんの形に合わせて強弱をつけた放射線を照射するIMRT(強度変調放射線治療)を導入する病院が増えてきた。頻尿や血尿などの後遺症は短期間で改善するものが多いが、膀胱ぼうこう炎や直腸炎による出血、性機能障害が起こることもある。

 放射性物質を入れた小さなカプセルを100個ほど、前立腺内に埋め込む「永久挿入密封小線源」という治療もある。前立腺に刺した針から強い放射線を短時間照射する「高線量率小線源」は再発リスクの高い患者が主な対象だ。小線源治療は前立腺内から照射するので、周囲の臓器の損傷は抑制できるが、頻尿などが起こりやすい。

「高線量率小線源」は実施施設が限られる。別表にまとめた。

 外照射は2か月程度通院して行うが、小線源治療は数日の入院で済む。

 骨や他の臓器に転移している場合は、薬で男性ホルモンの分泌を抑える「ホルモン療法」を行う。

 一方、悪性度が低ければ、あえて積極的な治療は行わず、定期的な血液検査で経過観察を続ける「監視療法」も選択肢となる。

 慈恵医大泌尿器科教授のがわしんさんは「年齢、ライフスタイルに合った治療をするためには、選択肢は多い方がいい。手術と放射線治療の実績に偏りのない病院を選びたい」と話している。(安藤奈々)


【データの見方】(2020年の治療実績、単位はすべて件)

手術合計:開腹手術件数、腹腔鏡手術件数、ミニマム創手術件数、ロボット手術件数の四つの手術件数を合計したもの。一般的に前立腺と隣にある精のうを全て摘出する。

開腹手術:腹腔鏡を使わない通常の手術。下腹部を15センチほど切開して行う。

腹腔鏡手術:下腹部に小さな穴を数か所開けて、カメラのついた器具(腹腔鏡)や手術器具を入れて行う。開腹手術より出血が少なく済む。

ミニマム創手術(腹腔鏡下小切開手術):下腹部を6~9センチほど切開して、そこから腹腔鏡などを入れて手術を行う。開腹手術に比べると切開する長さが短いので「ミニマム」と呼ぶ。

ロボット手術:腹腔鏡手術の一種。コンピューターに映った立体画像を見ながら医師がロボットアームの先に装着した腹腔鏡や手術器具を遠隔操作する。手ぶれを抑えるなど細かな動きが可能になる。

放射線治療(根治的照射)合計:外照射治療や永久挿入密封小線源など放射線治療を合計したもの。体の外から照射する方法と、内側から照射する方法があり、併用することもある。

外照射治療:体の外から放射線を照射する治療法。2か月程度通院する。

強度変調放射線治療(IMRT):外照射治療の一種。コンピューター制御で放射線を当てる角度や強さを細かく調整して、がんを狙って攻撃する。直腸など周囲の正常組織に与えるダメージを通常の外照射治療より小さくできるメリットがある。

永久挿入密封小線源(LDR):放射性物質を閉じこめた小さなカプセル約100個を前立腺に埋め込んで、体の中から放射線を当てる。手術と入院を含め、数日で終わる。

高線量率小線源(HDR):前立腺内に針を刺し、直接照射する。主に再発のリスクが高い患者に行われ、短時間で強い放射線を照射する。

Space OARシステムの導入の有無:放射線治療の際、被曝ひばく量を減らすため、前立腺と直腸を離すべくゼリー状の材料を使用する方法。この設問のみ、2021年7月1日時点の導入状況を聞いた。

セカンドオピニオンのみの受診件数:主治医とは別の医療機関の医師に「第2の意見」を聞くために受診した件数。

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前立腺がん

病院名
都道府県
市区町村
手術合計(件)
手術合計のうち開腹手術(件)
手術合計のうち腹腔鏡手術(件)
手術合計のうちミニマム創手術(腹腔鏡下小切開手術)(件)
手術合計のうちロボット手術(件)
放射線治療合計(件)
放射線治療合計のうち外照射治療(件)
外照射治療のうち強度変調放射線治療(IMRT)(件)
放射線治療合計のうち永久挿入密封小線源(LDR)(件)
放射線治療合計のうち高線量率小線源(HDR)(件)
Space OARシステムの導入の有無(2021年7月時点)
セカンドオピニオンのみの受診件数
恵佑会札幌病院 北海道 札幌市白石区 205 1 0 0 204 47 47 45 0 0 4
函館五稜郭病院 北海道 函館市 75 0 0 0 75 37 37 37 0 0 0

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