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病名・テーマ 認知症
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認知症 薬使わない治療も…患者、家族への支援不可欠

 記憶や知覚、思考などの認知機能が低下し、日常生活に支障が出る認知症。国内の患者数は2012年で約462万人とされ、40年には800万人まで増えるという推計がある。読売新聞は20年1~3月、日本老年精神医学会か日本認…

 記憶や知覚、思考などの認知機能が低下し、日常生活に支障が出る認知症。国内の患者数は2012年で約462万人とされ、40年には800万人まで増えるという推計がある。

 読売新聞は20年1~3月、日本老年精神医学会か日本認知症学会の専門医が在籍している医療機関(19年12月時点)と、全国の認知症疾患医療センターの計1621施設に、19年度の診療実績などをアンケートした。

 認知症には大きく四つのタイプがある。

 この中で最も多いのは、記憶障害などがゆっくりと進行する「アルツハイマー型」だ。ほかには、脳卒中後に起こる「血管性」、幻視や運動障害も伴う「レビー小体型」、感情を抑えるのが難しくなる「前頭側頭型」などがある。65歳未満で発症した場合は「若年性認知症」と呼ばれる。

 一方、認知症と正常な状態の中間を「軽度認知障害」と言う。この段階の人は、年に5~15%は認知症に進むが、正常な状態に戻ることもある。

 認知症の原因疾患は100以上あるとされ、複数を合併することもある。診断の際は、うつ病など、認知症と似た病気と見分けることが大事だ。脳の画像や認知機能の検査のほか、患者や家族への問診が重視される。いつから、どのような症状が出ているのかなど、生活の状況を丁寧に聞き取ることが欠かせない。

 認知症を根本的に治す薬は今のところない。アルツハイマー型やレビー小体型では、症状の進行を遅らせる薬が使われる。

 薬を用いない「非薬物療法」も、回答した医療機関の4割が実施していた。運動療法、日常生活機能の改善を目指す認知リハビリテーション、懐かしい写真や音楽とともに思い出を語り合う回想法など、内容は多岐にわたる。不安や徘徊はいかい、暴言・暴力といった「認知症の行動・心理症状」(BPSD)の軽減が期待できる。

 患者会・家族会の運営支援や個別相談、リラックスして語り合える「認知症カフェ」の開催など、患者や家族をサポートする取り組みをしている医療機関は8割に上った。

 認知症疾患医療センターは、診断やBPSDへの対応が難しい患者を受け入れるなど、地域の認知症診療の中心的な役割を持つ。

 アルツクリニック東京(東京都千代田区)院長の新井平伊さんは、「認知症と診断され、ショックを受ける患者や家族は少なくない。正確な診断、治療に加え、患者らの生活を支えるサポートが欠かせない。進行予防にもつながる」と話している。(影本菜穂子)


「認知症」データの見方(2019年の実績、診療体制は19年12月時点)

※回答は一部の科や外来のみの場合がある。

新規患者数:外来や入院で1年間に新たに認知症と診断された患者数(実数)。「その他」には原因疾患が複数ある人も含まれる。

若年性認知症:認知症発症が65歳未満。うつ病など他の病気と間違われることが多く、診断までに時間がかかることもある。

軽度認知障害:認知症と正常の中間の状態。運動や食事等の生活習慣の改善などで進行を遅らせたり、予防できたりするかを調べる研究が進められている。

老年精神医学会認定専門医・日本認知症学会認定専門医:2学会の認定専門医を配置することは認知症疾患医療センターの設置基準の一つ。

認知症サポート医:認知症に関する一定レベルの知識や対応力を持つ医師。かかりつけ医や介護職などをサポートし、地域における多職種の連携作りの中心的役割を担う。

神経心理検査を行う専門職の有無:検査には多くの種類があり、専門知識が必要。臨床心理士や公認心理師が担うことが多い。

平均初診時間(問診のみ):紹介患者の受け入れが多い医療機関では、初診時間が短めになることもある。

認知症の非薬物療法:徘徊はいかいや不安など「認知症の行動・心理症状」(BPSD)を抑える効果が数多く報告されている。症状に合わせて様々な方法が行われている。複数回答。

患者本人や家族のサポート体制:患者や家族の生活・介護に関する個別相談、長期介護によるストレス緩和のための「居場所」提供など。複数回答。

認知症疾患医療センター:認知症の専門医らの医療スタッフ、検査や医療相談ができる体制が整っている医療機関。都道府県や政令市が指定する。該当する場合は、施設別のデータ表の下に表記。

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認知症

病院名
都道府県
市区町村
新規患者合計(人)
うちアルツハイマー型(人)
うち血管性(人)
うちレビー小体型(人)
うち前頭側頭型(人)
うちその他(人)
新規患者数のうち若年性認知症(人)
軽度認知障害(人)
日本老年精神医学会認定専門医(人)
日本認知症学会認定専門医 (人)
認知症サポート医(人)
神経心理検査を行う専門職の有無
平均初診時間(問診のみ)(分)
患者本人や家族のサポート体制
非薬物療法
札幌いそべ頭痛・もの忘れクリニック 北海道 札幌市東区 265 160 20 15 10 60 40 150 0 1 1 30-45 ①認知症カフェ、⑤個別相談 ①回想法、②認知刺激療法、③認知機能訓練、④認知リハビリテーション、⑤運動療法、⑥音楽療法、⑦認知行動療法
小樽セントラルクリニック 北海道 小樽市 148 133 8 2 2 3 1 161 - 1 1 30-45 ③家族会、④認知症教室(講座、講演)、⑤個別相談 ①回想法、②認知刺激療法、④認知リハビリテーション、⑤運動療法

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