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痔核、切除と注射の併用増…痔ろう 管を切り開く、くり抜く

 痔(じ)は良性の疾患だが、肛門外に飛び出すほど大きくなったり、痛みや出血が生じたりして気になる場合は、専門治療が勧められる。通称「いぼ痔」と呼ばれる痔核の多くは、直腸末端の粘膜部分にある血管がうっ血し、膨らむことで…

 は良性の疾患だが、肛門外に飛び出すほど大きくなったり、痛みや出血が生じたりして気になる場合は、専門治療が勧められる。

 通称「いぼ痔」と呼ばれる痔核の多くは、直腸末端の粘膜部分にある血管がうっ血し、膨らむことで発生する。うっ血は排便時のいきみ過ぎや、同じ姿勢で座り続けることなどで引き起こされる。進行すると、肛門の皮膚部分にも広がっていく。

20170904-byoinjitsuryoku

 痔ろうは、直腸の粘膜と肛門の皮膚との境にある細いくぼみに細菌が侵入し、継続的な炎症でウミが詰まった細い管ができた状態を指す。管はお尻の皮膚を貫通し、下着がウミで汚れることもある。治すには手術が欠かせない。

 読売新聞は今年6~7月、日本臨床肛門病学会の会員所属医療機関のうち、5月時点で同学会ホームページに掲載された473施設を対象にアンケート調査を実施した。200施設から回答を得た(回答率42%)。一覧表には、①痔核の結紮けっさつ切除件数 ②痔核のALTA療法件数 ③結紮切除とALTAの併用治療件数 ④痔ろうの根治手術件数 ⑤肛門領域の専門医の人数⑥女性専門医の人数――を掲載した。①から③の合計数が多い順に、都道府県ごとに並べた。

 痔核の根治手術は、結紮切除が主流となっている。痔核につながる血管を糸で縛り、出血を防ぎながら痔核をメスで切除する。手術後、しばらくは大量出血の恐れがあるが、緊急時の対応などを整えて、日帰りで行う医療機関が増えている。別の根治手術を行う医療機関もある。

 痔核が粘膜にとどまっていれば、注射で縮小させるALTA療法の対象になる。出血しにくく、日帰りで行いやすい。だが、神経のある皮膚にも痔核が広がっていると、注射で激しい痛みが生じるため実施できない。そこで、粘膜の痔核(内痔核)にALTA、皮膚の痔核(外痔核)に結紮切除を行う併用治療が近年増加している。

 痔ろうの根治手術には、管を切り開いたり、くり抜いたりする方法がある。これも日帰りで行う医療機関が増えている。

 痔の手術を行う肛門科には技術差があり、同学会はビデオ審査による技能認定制度の創設を計画している。札幌市の樽見おしりとおなかのクリニック院長、樽見研さんは「未熟な手術を行うと、肛門が狭くなって排便しにくくなったり、痔ろうの手術では肛門の筋肉が傷ついて便が漏れたりする恐れもある。経験豊富な医療機関を選んでほしい」と話している。

 消化器疾患の専門医は多いが、肛門領域が得意な医師は少ない。そこで、各医療機関で手術を行う医師のうち、日本大腸肛門病学会の専門医を肛門領域で取得した医師の数を聞いた。お尻を見られる恥ずかしさから、男性医師の診察に抵抗を感じる女性患者もいるため、日本大腸肛門病学会の専門医を肛門領域で取得した女性医師の人数も掲載した。


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痔の手術

病院名
都道府県
市区町村
痔核の結紮切除数(件)
痔核のALTA療法(件)
結紮切除とALTAの併用治療数(件)
痔ろうの根治手術数(件)
肛門領域の専門医数(人)
女性医師数(人)
札幌いしやま病院 北海道 札幌市中央区 802 509 801 1144 2 0
くにもと病院 北海道 旭川市 124 77 430 121 3 0

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「全体を見る」でアンケート結果を見る時、「データの見方」が付いていない場合があります。「病名・テーマ」の検索結果ページの解説記事をご参照ください。

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