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乳がん 再建手術、選択しやすく…遺伝子検査も対応増加

 女性のがんの中で最も患者数が多い乳がん。国立がん研究センターは、今年、新たに乳がんになる女性を9万人と予測。国内では40歳代後半~50歳代前半の患者が目立つ。子育てや仕事で忙しい時期に患い、日々の生活と両立しながら治療…

 女性のがんの中で最も患者数が多い乳がん。国立がん研究センターは、今年、新たに乳がんになる女性を9万人と予測。国内では40歳代後半~50歳代前半の患者が目立つ。子育てや仕事で忙しい時期に患い、日々の生活と両立しながら治療している人も多い。

 年間の死亡数は1万4000人とされるが、新たな治療薬の研究・開発が続いており、適切な治療により命を落とさずにすむケースも珍しくない。手で触れて見つかることもあるため、しこりや分泌物がないか定期的に自己チェックすることが大切だ。

 手術には、しこりと周囲の組織を切除する乳房温存手術と全摘手術がある。13年に人工乳房による再建手術に保険が認められ、全摘後に行う同時再建手術を選択しやすくなった。全国的に対応できる医療機関は着実に増えている。

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 個々のがんのタイプを調べ、再発リスクなどを予測する検査は、効果的な治療薬の選択をするために活用されている。「オンコタイプDX」「マンマプリント」などが代表的な検査キットだ。保険適用外のため自費で約40万円かかる。

 近年、患者の5%ほどが該当し、進行が速いとされる遺伝性乳がん・卵巣がんの診療体制の整備が課題だ。若年での発症や、血縁者に多発している場合などは遺伝子検査が検討され、この検査に対応できる病院も増えてきた。BRCA1、2という遺伝子に変異が見つかれば血縁者に影響する恐れがあるが、詳しい説明の上で相談に応じる遺伝カウンセリングや、未発症の乳房や卵巣の予防的切除を行える医療機関はまだ少ない。

 乳がんの治療は選択肢が多く、病状や患者のおかれた状況によって異なる。昭和大学乳腺外科教授の中村清吾さんは「希望する治療が受けられるかを尋ね、できない場合は連携先の病院を紹介してもらえるかどうかを治療前に相談することが望ましい」と話す。(佐々木栄)

調査の方法

2017年夏、日本乳がん学会認定施設など1476施設に対し、16年の治療実績をアンケートした。

データの見方(2016年の治療実績、単位はすべて件)

(1)全手術の件数

主に乳房全摘手術と温存手術に分けられる。一般にしこりが3センチ以下で多発していなければ温存手術が検討される。

(2)同時再建手術

乳がんの手術と同時に、新たに乳房を作り直す手術。自身のおなかや背中の皮膚や脂肪を移植する方法と、人工乳房を使った方法がある。

(3)全手術件数に占める温存手術の割合

温存手術件数を、全手術件数で割った数値。人工乳房による再建に保険がきくようになってからは、全摘後の再建を選択する人が増え、近年は温存率の割合は下がる傾向にある。

(4)センチネルリンパ節生検

わきの下のリンパ節転移を診るため、がん細胞が最初に転移するセンチネルリンパ節を摘出して調べる検査。

(5)術前化学療法

乳がんの摘出手術の前に、抗がん剤を投与する治療法。しこりが比較的大きめでも、術前の抗がん剤で縮小させた後、温存手術が可能な場合もある。

(6)再発リスク遺伝子検査

乳がんの細胞の遺伝子を詳細に分析して再発リスクや薬の効果を調べる検査。「オンコタイプDX」「マンマプリント」「キュアベスト」などがある。実施している施設は、より専門性が高い傾向がある。

(7)セカンドオピニオン受診件数

治療を納得した形で行うため、最初に受診した医師に加え、別の医師にも診断や治療方針を尋ねること。治療実績が高い医療機関で、件数が多い傾向がある。

(8)放射線治療

主に乳房温存手術後、乳房に放射線を照射する。摘出した部分の周囲に残っているかも知れない微小ながん細胞を放射線で死滅させる。

(9)形成外科医の協力

乳房再建手術を希望する場合は、再建手術を手がける形成外科医がいる、もしくは連携できる形成外科医のいる施設を選ぶことも検討する。

(10)乳腺専門医

日本乳癌学会が認定する専門医。乳がん診療の専門性の高さを示す指標となる。

(11)遺伝カウンセリング体制

20~30歳代などでの発症や、親族に乳がん・卵巣がんなどが多発している場合は、遺伝性乳がん・卵巣がんの可能性を検討することになる。詳細な検査を受ける場合、結果によっては他の親族にも影響するため、検査後の対応も踏まえ、遺伝に詳しい医師やカウンセラーの説明を受けることが欠かせない。

(12)遺伝性乳がん・卵巣がんの遺伝子検査

遺伝性乳がん・卵巣がんが疑われる時、BRCA1、2という遺伝子に変異がないかを調べる検査。

(13)発症前の両側乳房の予防切除

BRCA1、2の遺伝子に変異があった場合、乳がんを発症する確率が高くなるため、乳がんを発症していない人に対し、予防的に乳房切除を行う手術。

(14)未発症の片側の乳房の予防切除

乳がん患者のBRCA1、2の遺伝子に変異が見つかった場合、予防的に反対側の乳房を切除する手術。

(15)発症前の両卵管・卵巣の予防切除

BRCA1、2の遺伝子に変異があれば、卵巣がんの発症確率も高まるため、予防的に卵管や卵巣を切除する手術を行うこともある。

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乳がん

病院名
都道府県
全手術(件)
全手術のうち、同時再建手術(件)
全手術に占める温存手術の割合(%)
センチネルリンパ節生検(件)
術前化学療法(件)
再発リスク検査(できる:○)
セカンドオピニオンのみの受診(件)
放射線治療(自施設で可能:1、提携先で可能:2)
形成外科医(協力が得られる:○)
乳腺専門医(いる:○)
遺伝カウンセリング(院内整備:○)
遺伝性乳がん・卵巣がんの遺伝子検査(できる:○)
発症前の乳房の両側予防切除(できる:○、計画中:△、数字は2016年末までの実施件数)
未発症の片側の乳房の予防切除(できる:○、計画中:△、数字は2016年末までの実施件数)
発症前の卵管・卵巣の予防切除(できる:○、計画中:△、数字は2016年末までの実施件数)
札幌乳腺外科クリニック 北海道 460 86 49 384 33 87 2
札幌ことに乳腺クリニック 北海道 292 42 55 219 15 13 2

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