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医師の長時間労働、42病院に労基署が是正勧告…「働き方改革」対応に遅れ

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 都道府県と政令市が運営に関わる251の公的病院のうち、約17%にあたる42病院が2018年以降、医師の違法な長時間労働で労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが、読売新聞の情報公開請求でわかった。「医師の働き方改革」が今年4月に始まるが、昨年も9病院が勧告を受けていた。改革直前でも、対応が十分に進んでいない現状が浮かぶ。

医師の長時間労働、42病院に労基署が是正勧告…「働き方改革」対応に遅れ

 国が推進する「働き方改革」で、18年6月に労働基準法が改正され、残業時間の上限が罰則付きで定められた。19年4月に施行されたが、医師はその特殊性から5年間適用が猶予され、今年4月から原則「年960時間」が上限となる。

 厚生労働省によると、自治体などが運営に関わる公的病院は全国に1195病院(22年10月現在)ある。

 読売新聞は、地域医療の中核を担う47都道府県と20政令市が運営に関わる251の公的病院について、労基法が改正された18年以降、昨年10月までに労基署から受けた労基法違反などの是正勧告の内容がわかる文書を情報公開請求。24都府県8市の54病院が医師に関して是正勧告を受けていた。看護師や事務員に関するものを含むと90病院に上った。

 医師に関する勧告を受けた54病院のうち残業時間が労使の協定で定めた範囲を超過する違法残業が42病院。このうち、残業時間が、国の労災認定基準「過労死ライン」の月100時間を超えていた病院は少なくとも25病院あった。

 国は、今年4月までに労働環境を改善するよう求めていた。しかし、医師の違法残業で勧告を受けた病院数は毎年3~17病院で推移し、大きく改善はしていない。23年は9病院で、18年以降3番目に多かった。18年以降の6年間に医師の違法残業で2回以上勧告を受けた病院は8病院あった。

 厚生労働省労働基準局監督課は「働き方改革に向けて病院を支援し、不適切な労務管理があれば指導を徹底していく」としている。

  医療ガバナンス研究所(東京)の上昌広理事長の話 「国が改善を求めている中、法令順守の意識がより高く求められる公的病院で、これだけの違法労働が起きていたことは深刻だ。民間病院も状況は大きく変わらないだろう。医師の過重労働は医療ミスにつながりかねず、各病院は業務の見直しに取り組む必要がある」

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