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段ボール製「インスタントハウス」、避難所で活用広がる…プライバシー確保に一役

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 能登半島地震の被災地で、簡単に設置できる段ボール製の「インスタントハウス」の利用が広がっている。これまで石川県輪島市など6市町の12避難所に計700棟が発送された。避難所には今も約8000人が身を寄せており、避難生活が長引く中、プライバシー確保や感染症予防に活用されている。

段ボール製「インスタントハウス」、避難所で活用広がる…プライバシー確保に一役

避難所となっている門前中の体育館に設けられた段ボール製「インスタントハウス」(石川県輪島市で)=関口寛人撮影

 輪島市の避難所、市立門前中学校の体育館には30世帯分のハウスが並び、約60人が暮らす。1棟は縦横2メートル、高さ2・7メートル。16枚の段ボールをプラスチックの部品で組み立てる。大人2人で15分あれば完成し、2棟、3棟とつなげて大きくすることも可能だ。床には断熱材が敷かれている。

 同市の女性(32)は3棟分をL字形につなげ、家族ら4人で寝泊まりする。「床に寝ていた時は人の足音が気になったが、今はゆっくり眠れる」と話す。

 考案したのは名古屋工業大学の北川啓介教授(49)(建築学)。地震翌日に現地入りし、設置を進めている。製作費は屋内用1万円、防水仕様の屋外用15万円。同大のサイトで製作・輸送費の寄付を募り、無償で発送している。現在、屋外用も含め約3500棟分の追加発注が来ているという。

 開発のきっかけは2011年の東日本大震災。調査で訪ねた宮城県石巻市で小学生に話しかけられた。「家を建てるのになんで時間がかかるの? 大学の先生なら来週建てて」。北川教授は「自分は専門家なのに」と無力感を覚えた。

 軽量で運びやすく、少ない部材ですぐにできる家を目指し、16年にテント形の屋外用ハウスを開発した。より簡易な屋内用にも取り組み、昨年12月にインスタントハウスが完成。今回、被災地に初めて導入した。

 北川教授は希望する全ての避難所での設置を目指しており、「少しでも避難生活を快適にし、災害関連死をゼロにしたい」と語る。

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