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少年院在院者の6割「家族から身体的暴力」、精神的被害は女子8割近く…犯罪白書

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 法務省は8日、今年の「犯罪白書」を公表した。非行少年が育った環境を初めて調査した結果がまとめられ、少年院在院者の61%が家族から身体的な暴力を受けた経験のあることが明らかになった。精神的な暴力を受けた割合も43・8%に上った。家族からの暴力が非行に走る要因の一つになっている可能性がある。

少年院在院者の6割「家族から身体的暴力」、精神的被害は女子8割近く…犯罪白書

法務省

 昨年、刑法犯と薬物犯罪などの特別法犯で検挙された14~19歳は1万9526人(前年比1・2%減)。一方、少年院に新たに入った者は1332人(同3・3%減)だった。

 調査は、社会復帰が近づいた処遇段階にいる少年院在院者らを対象に、2021年に実施。18歳までに家族から暴力を受けたり、家族の中にアルコール依存者や受刑者がいたりしたといった「小児期逆境体験」をしたかどうかなどを聞いた。

 その結果、男子の在院者508人のうち59・6%、女子56人のうち73・2%が、家族から殴る蹴るなどの暴力を受けていた。精神的暴力を受けた割合も男子が40%、女子は78・6%に上った。男女間で大きな差が出た理由は明らかにされていない。

少年院在院者の6割「家族から身体的暴力」、精神的被害は女子8割近く…犯罪白書

 家族からの暴力を含め、何らかの逆境を体験した割合は、男子が86・8%、女子では94・6%に達した。

 逆境体験は心身の健康に影響を及ぼし、トラウマ(心の傷)になるとされており、非行の背景に幼少期のこうした過酷な経験が影響している可能性がある。白書は「在院者のトラウマを適切に理解し、症状などを認識したうえで対応することが肝要だ」と指摘した。

 白書では例年通り、再犯の状況も分析。昨年刑法犯で検挙された人のうち、再犯者の割合を示す「再犯者率」は、前年から0・7ポイント減の47・9%だった。過去最悪だった20年の49・1%からは低下したものの、高止まりしている。21年に刑務所を出所後、2年以内に再び罪を犯して入所した「再入率」は14・1%と過去最少を更新した。

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