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1週間の減塩食は降圧薬に匹敵

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 米国の中高年における1日当たりの食塩摂取量は平均8.9gと推計され、世界保健機関(WHO)の推奨量(5g)を超えている。米・Vanderbilt University Medical CenterのDeepak K.Gupta氏らは、高血圧症患者を含む中高年213例を対象に、食事から摂取する食塩が血圧に及ぼす影響を検討するクロスオーバー試験を実施。その結果、1週間の減塩食摂取により高血圧症の有無にかかわらず血圧が有意に低下し、減塩食による降圧効果は降圧薬に匹敵することが示されたとJAMA( 2023年11月11日オンライン版 )に報告した。

減塩食と高塩分食を交互に摂取し、血圧を比較

1週間の減塩食は降圧薬に匹敵

(C)Adobe Stock ※画像はイメージです

 食事からの食塩の推奨摂取量をめぐっては、血圧の食塩感受性(SSBP)に個人差があることから議論が続いている。さらに、降圧薬を服用している高血圧症患者において、食事から摂取する食塩が血圧に及ぼす影響については十分に研究されていない。

 そこでGupta氏らは、食塩摂取に伴う血圧の変化や、ベースラインの血圧および降圧薬の服用状況による影響などを検討するクロスオーバー試験Coronary Artery Risk Development in Young Adults(CARDIA)-SSBPを実施した。

 対象は、2021年4月~23年2月に米国2都市で登録された50~75歳の213例(年齢中央値61歳、女性65%、黒人64%、白人33%)。血圧の内訳は正常血圧が25%、降圧薬でコントロールされている高血圧が20%、非コントロールの高血圧が31%、未治療の高血圧が25%だった。ベースラインの診察後に、高塩分食(通常の食事に1日約5.6gの食塩を追加)と減塩食(1日約1.3gの食塩)を1週間ずつ交互に摂取した。診察は登録時、ベースライン時、第1週終了時、第2週終了時の4回に加え、その後1週間間隔で3回実施した。

 主な除外基準は、登録時の収縮期血圧が90~160mmHg、拡張期血圧が50~100mmHgに当てはまらない場合、治療抵抗性高血圧、高塩分食または減塩食の禁忌とした。

 主要評価項目は、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)による収縮期血圧および拡張期血圧の平均値、平均動脈圧、脈圧とした。intention-to-treat(ITT)解析、事前に規定したサブグループ解析を実施。SSBPについては、高塩分食摂取時と減塩食摂取時で平均動脈圧が5mmHg以上低下した場合を「食塩感受性あり」とした。

減塩食の効果はヒドロクロロチアジドと同様

 検討の結果、通常食、高塩分食、減塩食の摂取時における収縮期血圧の中央値はそれぞれ125mmHg、126mmHg、119mmHgだった。

 高塩分食と減塩食の摂取時における平均動脈圧の変化量中央値は4mmHg〔四分位範囲(IQR)0~8mmHg、P<0.001〕で、高血圧の有無や降圧薬の使用にかかわらず同様の結果だった。

 高塩分食摂取時と比べ、減塩食摂取時に平均動脈圧が低下した参加者の割合は73.4%だった。一方で、「食塩感受性あり」の基準を満たしたのは46%だった。この点について、Gupta氏らは「SSBPを定義する従来の閾値は、減塩により降圧効果が得られる人の割合を過小評価してしまう可能性がある」との考えを示している。

 第1週終了時における高塩分食摂取群と減塩食摂取群の平均収縮期血圧差は8mmHg(95%CI 4~11mmHg)で、減塩による有意な降圧が示された(P<0.001)。年齢、性、人種、高血圧の有無、ベースライン時の血圧、糖尿病の有無、BMIで層別化したサブグループ解析でも同様の結果が得られた。

 通常食に比べ減塩食の摂取で、1日当たりの食塩摂取量が中央値で5.8g減少し、それに伴い収縮期血圧が6mmHg低下した。

 有害事象は、高塩分食摂取時に21例(9.9%)35件、減塩食摂取時に17例(8.0%)24件が報告されたが、いずれも軽度だった。高塩分食摂取時には頭痛、胃腸不快感、浮腫、減塩食摂取時には痙攣、脱力感が多かった。

 以上の結果を踏まえ、Gupta氏らは「本試験に参加した中高年の多くで、1週間の減塩食の摂取により血圧が有意に低下した。通常食と比べて、減塩食により収縮期血圧が6mmHg低下したことは、サイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド12.5mg投与による降圧効果と同等である」と結論している。(今手麻衣)

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