文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

ニュース

医療・健康・介護のニュース・解説

脳死移植の支援拡充、「判定」から臓器摘出まで医療機関サポート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 厚生労働省は来年度、脳死判定を受けたドナー(提供者)からの臓器摘出手術を行う地域の医療機関に、移植医療の実績が豊富な拠点病院から、臓器の状態をチェックする医師や、摘出手術に携わる看護師らを派遣する取り組みを始める。脳死判定から臓器摘出まで一貫して人材不足の病院を支援する。ドナー不足の中、提供の意思を確実にいかし、脳死移植の増加につなげる狙いがある。

 脳死判定から臓器の摘出までは、臓器が移植に適した状態かの評価や、ドナーの血圧などの全身管理が必要だ。集中治療医や看護師、移植医ら多様な専門職が関わり、人手がいる。

id=20231129-249-OYT1I50108,rev=2,headline=false,link=false,float=left,lineFeed=true

厚生労働省

 厚労省によると、臓器移植法の運用指針に基づき脳死下の臓器提供が可能な施設は3月現在で895か所で、その約半数(459か所)は臓器摘出までの体制が整っていない。救急医学が専門で移植医療に詳しい横田裕行・日本体育大教授は「人材確保が難しかったり、経験や設備が十分でなかったりする医療機関も少なくない。患者や家族に提供の意思があってもかなわない場合もある」と指摘する。

 厚労省は2019年度、大学病院などの拠点病院から地域の病院に医師や看護師らを派遣する連携事業を始めた。ただ、派遣された医療者の支援は脳死判定までとなり臓器の評価や摘出手術の人員不足は解消されず効果が限定的だった。

 そこで、拠点病院を従来型の病院と「移植医療支援室(仮称)」を持つ病院に再編し事業を拡充する。

 新たなタイプの拠点病院は原則、脳死ドナーからの臓器移植も実施することが条件だ。脳死の可能性がある患者が出た地域の病院に同室から、医師や看護師、臨床検査技師らを派遣して、臓器のチェックやドナーの全身管理、臓器摘出手術まで一連の流れに携わる。

 厚労省は、来年度予算の概算要求に支援室の人件費などを計上した。新たなタイプの拠点病院は、現在の拠点病院(17か所)や移植医療に積極的に取り組む病院の中から選ぶ考えだ。

 移植を望んで日本臓器移植ネットワークに登録する患者は10月末時点で約1万6000人いるが、移植を受けられる患者は年約400人にとどまる。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ニュースの一覧を見る

最新記事