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30~50歳代の女性に多い「酒さ」とは? 顔に赤みやほてり、ブツブツ…新しい塗り薬も登場

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 「 しゅ さ」は、顔に赤みやほてり、ブツブツなどが出る炎症性の病気です。昨年5月、塗り薬「ロゼックスゲル」が公的医療保険で認められました。悪化を防ぐには、皮膚科での治療と合わせ、毎日の肌の手入れなどセルフケアも大切です。(西田真奈美)

 酒さの原因はまだよく分かっていません。30~50歳代で発症しやすく、女性に多い傾向があります。顔のほてりやヒリヒリした痛みを感じる人もいます。

 症状により四つのタイプに分かれます。多くみられるのは、皮膚の細い血管が広がり、顔が赤くなる「紅斑毛細血管拡張型」と、赤く盛り上がる「 丘疹きゅうしん 」や うみ のたまったブツブツ「 膿疱のうほう 」ができる「丘疹膿疱型」です。ほかに、鼻の皮膚が厚くなり、こぶのようなものができる「 鼻瘤びりゅう 」、目の充血や炎症を伴う「 眼型がんがた 」があります。複数のタイプが重なる人もいます。

 治療は、抗菌作用のある飲み薬や塗り薬を使います。レーザーや光を照射する方法もあります。細い血管の広がりを抑え、赤みを改善する効果がありますが、保険は認められず自費診療になります。

塗り薬に保険適用

 ロゼックスゲルは、炎症につながる活性酸素や免疫の働きを抑えます。特に、丘疹膿疱型に有効だとする研究報告が出ています。国内の臨床試験では、約3か月(12週)使った患者の72%で、丘疹や膿疱の数が50%超減るなどの効果が確認できました。こうしたデータを踏まえ、日本皮膚科学会が今年まとめた治療指針でも、丘疹膿疱型の患者がロゼックスゲルの治療を受けることを強く推奨しました。

 この薬は、これまで海外では酒さ治療薬として広く使われていました。国内でも一部の皮膚科医が自費で処方してきました。

 治療指針の策定委員長を務めた虎の門病院(東京)皮膚科部長の林伸和さんは「国内の臨床試験で安全性と有効性が確かめられ、保険が適用されたことで、必要な患者さんが確実に使えるようになりました」と話します。

 埼玉県の女子大学生(22)は2月、東京都内の皮膚科診療所で「酒さ」と診断されました。抗菌薬とロゼックスゲルを使い始めると、約3か月で丘疹や赤みは目立たない状態まで改善しました。「化粧水を塗るのがつらいほどのヒリヒリ感もなくなりました。きちんとメイクできるのがうれしい」と話します。

 患者は、自分の症状を悪化させる要因を知って、なるべく避けることが大切です。▽日光や気温▽心理的ストレスや食べ物▽アルコール摂取▽花粉――などが知られています。

 毎日の肌の手入れでは、刺激の少ない洗顔料や保湿剤を使いましょう。化粧品を選ぶ際は、皮膚科医の助言が役立ちます。

改善には時間も

 知っておきたいことは、タイプによって改善のスピードが異なることです。丘疹・膿疱は治療を始めて数か月ほどで落ち着きますが、赤みは1年以上かかることもあります。岩手医大皮膚科講師の角田加奈子さんは「自己判断で治療をやめて、悪化してしまうケースもあります。焦らず、定期的な通院を続けましょう」と呼びかけています。

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