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常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

医療・健康・介護のコラム

【最終回】若い年代でも発症する子宮頸がん・乳がん…自分を守る検診の受け方

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【最終回】若い年代でも発症する子宮頸がん・乳がん…自分を守る検診の受け方

 50歳以下の女性は、男性に比べ会社や市町村の健診を受けた後、治療を必要とする人の割合は少ないが、がんの 罹患(りかん) 率は男性に比べやや高い。主な原因として挙げられるのが、女性特有の子宮頸がんと乳がんが、若い年代でも発症することだ。

 市町村のがん検診は、子宮頸がんは20歳以上、乳がんは40歳以上の方に、2年に1回行われている。国の検討会の調査に基づき作成された指針に定められている。どちらのがんも比較的ゆっくり進行するため、年1回でなくても良いということだが、私の個人的な意見としては、両方とも年1回の検診を受けてもらいたい。

子宮頸がん検診時に経膣エコーも

 自費で人間ドックなどを受ける場合は、婦人科については、子宮頸がん検診だけでなく、膣内に器具を入れて行う超音波検査(エコー)も受けてほしい。子宮をつぼに例えると、子宮頸がん検診は、つぼの首の部分のがんを調べるものだ。子宮筋腫や子宮内膜の病気を発見するには、つぼの胴体の部分を調べる必要がある。つぼの胴体部分は、経膣超音波検査を受けないとわからない。また、左右に二つある卵巣を調べるのにも、経膣超音波検査が必要だ。

 子宮頸がん検診では、細胞を採取するため、クスコ(膣鏡)という金具を膣内に挿入する。その際にクスコを入れたまま、ゼリーを塗った超音波器具を挿入して検査する。クスコを入れておく時間が数分程度、長くなるだけで、クスコの挿入時にリラックスして力を抜いていれば、特に痛みなどはない。

マンモとエコーを併用

 乳腺検査は、母や姉妹など、近い身内に乳がん・卵巣がんを経験した方がいる場合は、30歳前半から開始するのをお勧めしたい。そうでない人も、40歳になったら、少なくとも市町村の乳がん検診を受けてほしい。

 市町村検診ではマンモグラフィーというX線検査がある。 被曝(ひばく) が気になるかもしれないが、検査1回分の被曝量は、普段の生活で1年間に受ける自然被曝の50分の1程度。これもあくまで個人的な意見だが、年1回の受診をお勧めする。あわせて乳房超音波検査も一緒に受けていただきたい。特に、デンスブレスト(高濃度乳腺)と言われた人は、X線で病変を見つけにくいので、超音波検査は必須だ。

かかりつけ医を持とう

 健康は、あなた自身の一番大切な財産だ。すべての病気を防ぐことはできないが、備えられることは実行し、早期に発見できるがんを見つけることで、体への負担が少ない治療を選ぶこともできるだろう。

 まずは、なんでも相談できるかかりつけ医を持つことをお勧めしたい。医師の専門科にこだわる必要はない。自分の仕事・家族・生活環境について、話しやすい相手が一番。まずは、予防接種や健診の相談などで気軽に受診してみて、自分との相性を見極めるとよい。

 さて、2020年2月からスタートしたこの連載、今回で終わります。長い間読んでいいただき、ありがとうございました。これからも心も体も健やかに過ごしてください。(常喜眞理 医師)

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常喜 眞理(じょうき・まり)

 家庭医、医学博士
 1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医。院長を務める常喜医院(内科、皮膚科)での診療のほか、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として健康診断(人間ドック)の内科診察を行い、婦人科や乳腺外科の診断を担当する。様々な大手企業の産業医でもあり、職場におけるメンタルヘルスのサポートを長年行っている。著書に『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)、『お医者さんがやっている「加齢ゲーム」で若返る!』(さくら舎)。現在、BS-TBS「Together」に準レギュラー出演中。

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