医療大全
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脳死臓器提供1000件<1>ドナーに感謝忘れず24年

日本初の脳死臓器提供による腎臓移植を受けた女性。今も月1回、東北大学病院で経過観察を受ける=画像を一部修整しています
1997年10月に臓器移植法が施行されてから、国内で脳死となった人からの臓器提供が先月28日、1000件に至った。初の提供者(ドナー)は高知県の女性で、心臓と肝臓、腎臓、角膜が重い病気の6人に移植された。
東北地方の60歳代女性はその1人。「見ず知らずの私を救ってくれたドナーへの感謝は、薄れることはありません」と語る。
女性は10歳代の終わりに腎臓の病気を発症した。徐々に腎機能が低下し、38歳の時に「腹膜透析」を始めた。人工透析の一つだ。週3回の通院は不要でも1日4回、30分かかる透析液の交換を自分で行うのが大変だった。体は常にだるく、少し歩くと疲れてしまう。腎臓移植を望み、日本臓器移植ネットワークに登録をしたが、いつ自分の順番が来るかはわからず「このつらい生活が一生続くのだろう」と半ばあきらめていた。
「腎臓移植の候補になりました」。仙台市の東北大学病院からの電話が入ったのは99年2月、透析を始めて2年が過ぎた頃だった。
ドナーの腎臓を移植する手術は3月1日未明に行われ4時間かかった。
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