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肥満症に30年ぶり新薬、ウゴービを保険適用へ…ダイエット目的の使用に懸念も

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 厚生労働省は15日、肥満症治療薬「ウゴービ」について、公的医療保険の対象とすることを決めた。厚労相の諮問機関・中央社会保険医療協議会で了承された。22日から適用となる。約30年ぶりに肥満症の新薬が登場し、治療の選択肢が広がることになるが、専門家は適切な使用を呼びかけている。

肥満症に30年ぶり新薬、ウゴービを保険適用へ…ダイエット目的の使用に懸念も

肥満症治療薬「ウゴービ」=ロイター

 デンマークの製薬大手ノボノルディスクファーマが開発したもので、今年3月に承認された。週1回、おなかなどに注射して投与する。薬価(公定価格)は量に応じて5段階あり、1回あたり1876円~1万740円となった。

 太っているだけの「肥満」では投与対象にならない。「肥満症」という病気と診断され、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかの持病があり、食事・運動療法で効果が得られない人で、肥満度を示すBMI(体格指数)が35以上か、27以上で運動機能障害などがある人に限られる。

 日本肥満学会理事長の横手幸太郎・千葉大教授は「対象者以外に不適切に使用されると、低血糖など思わぬ健康被害をもたらす恐れがある。厳密な使用が欠かせない」と指摘する。

 日本医師会などは、同じタイプの糖尿病薬が一部で美容・ダイエット目的で不適切に使用されているケースがあるとして、強い懸念を示している。

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