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宝塚報告書、いじめやパワハラ認めず…長時間業務で「精神障害を引き起こしても不思議でない」

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宝塚報告書、いじめやパワハラ認めず…長時間業務で「精神障害を引き起こしても不思議でない」

記者会見で頭を下げる宝塚歌劇団の木場健之理事長(手前)ら(14日午後、兵庫県宝塚市で)=吉野拓也撮影

 宝塚歌劇団の劇団員の女性(25)が死亡した問題で、歌劇団は14日、死亡の経緯を調べてきた外部弁護士の調査報告書を公表した。女性が長時間の業務を強いられた結果、「強い心理的負荷がかかっていた可能性が否定できない」と指摘した。上級生によるいじめやパワーハラスメントは、確認できなかったとした。

 兵庫県宝塚市内で記者会見した 木場健之こばけんし 理事長は、女性を適切にサポートできなかったことが一番の問題とし、「安全配慮義務を十分に果たすことができなかった。大切な仲間を守れず、遺族に深く謝罪する」と述べた。木場理事長は責任を取って、12月1日で辞任すると表明した。歌劇団は遺族への補償も進める考え。

 女性は入団7年目で、 そら 組に所属していた。9月30日、宝塚市の自宅マンションの敷地内で倒れて死亡しているのが見つかった。兵庫県警は自殺とみている。歌劇団は10月、外部の弁護士による調査チームを設置。宙組の劇団員ら70人以上に聞き取りを実施し、死亡の経緯や背景を調べていた。

 調査報告書は、女性が公演準備などで、死亡までの1か月に「時間外労働」が118時間以上あったと指摘。「精神障害を引き起こしても不思議でない程度の心理的負荷があった可能性は否定できない」とした。

 遺族側がパワハラと主張する上級生の言動については、「大きな負担に感じていた」としたが、「社会通念上不相当とはいえない」などとして認めなかった。

 調査結果公表を受け、東京都内で記者会見した遺族側代理人の川人博弁護士は「パワハラに関する事実認定と評価は間違いで、歌劇団と上級生の責任を否定する方向に誘導している。検証し直すべきだ」と批判し、歌劇団側に意見書を提出する考えを示した。

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劇団員の死亡について宝塚歌劇団が調査報告書を公表したことを受け、記者会見する遺族の代理人の川人博弁護士(左)(14日午後、東京都千代田区で)=若杉和希撮影

 ◆ 宝塚歌劇団 =阪急電鉄の一部門で、兵庫県宝塚市に本拠地を置く。「タカラジェンヌ」と呼ばれる劇団員は、宝塚音楽学校を卒業した未婚の女性に限られ、約400人が在籍する。花、月、雪、星、宙の5組と専科に分かれて年間約1400回の公演を実施し、2018年の観客動員数は約280万人。

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