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建築家 安藤忠雄さん

一病息災

[安藤忠雄さん]2度のがん(2)膵臓の全摘手術を提案され…「元気になった人はいない」と主治医

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[安藤忠雄さん]2度のがん(2)膵臓の全摘手術を提案され…「元気になった人はいない」と主治医

 2009年、十二指腸乳頭部にがんが見つかり、十二指腸、胆のう、胆管を摘出する大手術を受けてから5年。「もう大丈夫だろう」と気を抜いていた14年の初夏に、 膵臓すいぞう がんが見つかった。

 膵臓がんは、治療が難しい。進行するまで症状が出にくいが、早期の段階でも他の臓器に転移しやすい。見つかった時には進行していて、手術で取り除くことができない場合も多い。

 主治医の説明によると、手術は可能で、膵臓だけでなく、隣接する 脾臓ひぞう も摘出するという。

 「先生、膵臓がなくても生きていけるんですか」

 率直な疑問を口にすると、「うちの病院では、膵臓の全摘手術は、年に数件。生きている人はいますが、元気になった人はいません」との答えが返ってきた。

 ことの重大さがわかり、顔がこわばった。

 医師はこう続けた。「だからこそ、安藤さんは元気になって、見本になってほしい」

 十二指腸、胆のう、胆管、膵臓、脾臓――いくつもの臓器を失い、空っぽになった自分の胴体を想像した。「ないものはないなりにやっていくしかない」と腹をくくった。

 高校を出て、働きながら独学で建築を学び始めた10歳代の頃から、ずっとそうやって生きてきた。財産も学歴も後ろ盾もなく、自分の身一つで闘ってきた。がんとの闘いも同じ、と受け止めた。

建築家  安藤忠雄(あんどうただお) さん(82)

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