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介護福祉士の養成校 入学者集めに四苦八苦…2023年度の入学者数は14年度から4割減

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「重労働・低賃金」で介護職敬遠 募集停止や廃校相次ぐ

将来の介護福祉士 確保に力…養成校の入学者減少

 介護福祉士の養成校は近年、少子化に加え、「重労働・低賃金」といったイメージから介護の仕事が敬遠され、入学者数の減少に歯止めがかかっていない。

 公益社団法人・日本介護福祉士養成施設協会の調査によると、2023年度の入学者数は22年度に比べ605人減の6197人となり、14年度(1万392人)から約4割減った。定員充足率は51.3%にとどまる。募集停止や廃校も相次いでおり、23年度の養成校の数は296校と、約10年間で110校が姿を消した。

 入学者全体に占める留学生の割合は約3割に上り、23年度はベトナムやネパールなど25か国出身の1802人が入学した。

 介護福祉士の資格を取得するには、養成校で学んで卒業する方法のほか、介護現場で3年以上の実務経験と研修を積む方法、福祉系の高校を卒業する方法などがある。昨年度の国家試験の合格者(6万6711人)のうち養成校出身者は約1割で、入学者の減少がすぐに介護現場全体の人手不足に直結するわけではない。

 ただ、同協会の山田洋輔事務局長(66)は「各地にある養成校は、地域の若者が介護を体系的に学べる施設で、出身者が減れば介護サービスの質の低下を招きかねない。処遇改善などを通じた人材確保策を強化する必要がある」と訴えている。

◆介護福祉士= 高齢者や障害者を介護する技術や知識を身につけた専門職。1987年に資格が創設され、年に1回、試験が行われる。「介護現場のリーダー」として介護職員を指導するほか、医師や看護師、栄養士などと協力し、よりよいケアを提供している。登録者数は約194万人。

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